理系女子の活動日誌【QK】 (ページ36)

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まあね、俺だって男ですから。そりゃ好きな子に一緒に旅行に行きませんかと、2人きりでどうですかと、まあこれは明言したわけじゃないですけど、そう誘ってOKを出されるとね、舞い上がってしまうもんなんですよ。
俺は来年忙しくなるし、それに比べてAはまだ大学生活の真っ盛りだから、折角なら2人で、2人きりで行きたいななんて、甘酸っぱい思いを抱いていたんですよ。

まあそれはこっぴどく消え去りましたけど！別にいいけど！俺だって外野だったらなんとしてでも止めるしそれに関して他の人を責めることは無い。けど、欲を言えばQuizKnockを抜きにして、Aとゆっくりどこかを見て回りたかったんです。子供っぽいかもしんないけどね。

けど、旅行に行くのはほんとに楽しみだし、それを動画として形に沢山のこせるのはいつでも見れるアルバムみたいで最高級に嬉しい。柄にもなく旅行の日のカレンダーに花丸入れるくらいには。実はこれは須貝さんと河村さんは知らない。伊沢さんには許可を貰うために話したから、2人が知るのは動画が上がってから。須貝さんに何か言われそう、と思ったけど、それは伊沢さんがなんとかしてくれるらしい。

少しずつその日が近づいてくる事に、俺が浮き足立っているのも事実で、鼻歌を歌ってみたりする。
楽しみなの？なんて後ろから聞こえたので振り返ると、そこにはAがいた。

｢そういえば私勝手にみんなで行くって決めたけどよかった？こうくん秘密がどうとか言ってたよね｣

｢いや、それは...俺ら同い歳だし、仲良いけどもっと仲良くなりたいから、本当は2人で行きたかったけど、みんなとも行きたいのは事実だし、付き合ってもないのに2人きりがいいってのは、なんか俺独占欲強いみたいでやだなあって、だから別にいいの｣

全部言うつもりはなかったけど、とめどなく溢れる自分の言葉に制御はかけられなくて、結局思ってることをAにぶちまけた。引かれたかな、気づかれたかな、なんて俺が悩んでるのなんてお構い無しに、なんだそんなことか！なんて笑うA。

｢じゃあ今度2人でどこかいこ？私もこうくんともっと仲良くなりたい！あ、でもさすがに今回みたいに泊まりってなったらお兄ちゃんに何言われるかわかんないから日帰りだけど、それでもいいなら一緒に行こ！｣

拗ねながら怒る須貝さんは容易に想像できて、出かけれるだけで十分、と返して一緒にオフィスに向かう。次の約束までできて、願ったり叶ったりだなあ。