理系女子の活動日誌【QK】 (ページ34)

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昨日から色んな準備をしてくれたAちゃんと、手伝っていたふくらさんを始めとして、須貝さんや伊沢さんは、もう顔は桃色というよりはもはやイチゴ色に染まっていた。川上さんと河村さんはそこまで飲んでいなくて、こうちゃんはきっと前のことがあったからセーブして飲んでいる。僕もみんなよりは飲んでないけどいい気分にはなっている。

｢てかAちゃんこんなに料理上手ならいいお嫁さんになるねえ。相手が見つかったら僕にもちゃんと紹介してね｣

｢ふくらさんよりも俺が先！ってか俺に1番に報告するの！幸せになれないならそいつはダメ！まあ、Aが選ぶ人なら大丈夫だろうけどな！｣

わはは、なんて声を上げて笑う須貝さん。ほんとに料理は美味しくて、可愛くて頭も良くて、でもお茶目だし子供っぽくて目が離せないAちゃんに彼氏がいないのは僕からしたらありがたいことだけど、普通に疑問。
もしかしたらただAちゃんが好意に気づいていないだけ、なんてのもありそうだからなあ。むしろ十中八九それかもしれない。

そんな話題の中心に出ているAちゃんは、自分の話だとは露知らずに河村さんのところで何やら楽しそうに話している。

あんまりオフィスでは話しているところを見ないけど、仲良いんだな。Aちゃんは仲良くなるのが早いし、みんなに分け隔てなく接するから、すぐに彼氏が出来ちゃうんじゃないかって不安になる。歳が近いっていってもこうちゃんなんかは同い歳だし、全然アプローチできてない自分の奥手さにため息をつく。いまだってこうして遠くから眺めるだけで満足してしまっている。

気がついたら僕の視界にはAちゃんがいなくて、あれ、なんて思っていると視界が暗闇に染まる。誰だろうなあ、と思って目元を触れてみると、僕よりもサラサラとした手触りを感じ、え、Aちゃん？とぼそっとつぶやくと、せいかーい！なんて僕の前に顔をひょっこり見せる。それで満足したのかAちゃんは須貝さんのところへ向かって兄妹で仲良く話している。

たったこれだけのことで胸が高鳴る自分にもビックリするし、幸せだな、なんて思う自分はくさくないかな、少し恥ずかしいな。...やっぱり好きだなあ。ちゃんと前進しなきゃいけないな、なんてひとりでに思って、自分のグラスを一気飲みし、仲の良い兄妹を、邪魔しに行くことにした。

後日談だけど、川上さん、河村さん、こうちゃん以外はみんな二日酔いになってましたとさ。