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「あれ、この土鍋誰が使ったの?」
むらたくさんも復活したおやつの時間。伊沢さんが好きな洋菓子屋でケーキを買ってきてくれたということで、ここにいた私たち3人と伊沢さん、たくろーさんでありがたく頂いていたところ、まだしまっていなかった土鍋を見て、伊沢さんが私たちに問いかけた。
「あ、私がお昼ご飯作るのに使ったんです。もしかしてだめでしたか?」
それはいいんだけど、と何か言いたげな伊沢さん。あー、もしかして真っ昼間から鍋食べたのお前まじ?みたいな感じかな。何作ったか言った方がいいのかな、と考えていると、私よりも先に透き通った低い声が耳に入った。
「僕のためにAちゃんが雑炊作ってくれたの。さすがにその土鍋をAちゃんが使うわけないでしょ」
その答えにああそう、ふたり分なのねふーん、と意味ありげに反応しているがあからさまにびっくりしていたのはたくろーさんだった。
「え、A料理できるん?」
「失礼な、一人暮らしですから最低限の料理はできますよ。難しいのもレシピと調理器具さえあればできます!」
実験の要領で、とはさすがに言えないけど、えっへんと胸を張る。寮は火や包丁を使う料理が禁止だったから、いかに電子レンジを使っておいしく料理できるか、なんて友達と馬鹿みたいに競い合った記憶がある。もしかしたらこういう経験も生かせれているのかもしれない。
「じゃあこんどオフィスで手料理振る舞いましょうか?結構な量になるので前日とか当日の早い時間からキッチン借りることになりそうですけど」
「え、いいの!?俺食べたい!ということで編集長命令でもう開催は決定です。次みんなが集まる日にしましょう。...あ、1週間後だね、いける?」
予定を確認するとその時は午前の講義しかとってないので大丈夫だった。そう伝えるといぇーい!なんて子供みたいにはしゃぐ伊沢さん。
たくろーさんも楽しみやな、なんて言ってくれたのでこれは頑張らないと。
「Aちゃんひとりじゃ大変でしょ?僕もできることは手伝うから、気軽に言ってね。あ、でも待って、野菜に関しては受け付けてないから、それは事前に知ってて」
伊沢さんとは違うベクトルで子供みたいなけんけんさんにありがとうございます、と笑って返事する。それなら野菜を使わない料理とかも作った方がいいよね。調べとこ。
なんかみんなに振る舞うの初めてだから緊張するけど、楽しみだなあ。
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かすがわ(プロフ) - 楽しく小説読ませていただいてます! 少し気になっしまったので、言わせていただくのですが、福良さんは河村さんのこと確か「河村」呼びだった気がします…! (2019年9月19日 23時) (レス) id: 13a71039dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おとわ | 作成日時:2019年9月5日 0時