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それからも他愛ない話を続けていると、遠くから光が見えて、それがお兄ちゃんの車だと気づくのに長くはかからなかった。
｢すまん！またせた！...っておぉ、なかなかの酔い具合だな...｣
｢あるぇ、須貝さんでゃないですか〜どうしてぁですか？飲むんですく？｣
もう何言ってるかわからねぇよ！とこうくんに突っ込みながら、すまんな水上、と謝る。全然ですよ、とそうくんは言ってたけど、なかなかに肩はしんどそうだった。
じゃあAは助手席で、なんてお兄ちゃんが言うと、こうくんはなんでか不満げな顔を見せる。
｢えー、おれAの隣やなきゃいやだす｣
｢そんな事言われてもなあ...｣
目線で、私は大丈夫だよ、とお兄ちゃんに向けると、んー、と唸りながらもじゃあAとこうちゃんは後ろでいいだす！と呆れたように運転席に座った。
だす、にツボったそうくんはくくく、と笑いながらも助手席に向かった。
私はこうくんを頑張って隣に乗せて、一息ついたと思ったら、こうくんは私の肩ですやすやと寝息をたて出した。
｢自由奔放だねえ、こうちゃん｣
｢ほんとな、A振り払っていいんだぞ！｣
｢さすがにこうくんでもそんな扱いは出来ないよ。寝てることに罪はないし｣
自分の肩を見つめると、こうくんの整った顔が目に入る。まつ毛は長いし、頬は赤らんでるし、三角形のような口がほんの少しだけ開いていて、まるで子供みたいだ。
｢とりあえず水上降ろしてからA送り届けるわ
明日俺もこうちゃんもオフィスに行く予定だから泊まってそのままオフィス向かうから、こうちゃんのことは水上もAも気にしなくていいよ｣
｢すいません、なんか僕もお零れをもらっちゃって｣
いいのいいの！なんてお兄ちゃんは答えて、少し声が大きかったからかこうくんが目を開ける。
｢あ、こうくん？まだこうくんは降りるとこじゃないよ？｣
｢Aあったかいねえ。ぽかぽかだねえ｣
よしあきさんか、と突っ込みたくなる気持ちを抑えて、そうだねえ、と答える。なんなら多分暖かいのはこうくん自身だと思うけど、そう答えたらめんどくさくなることは分かってるので答えないことにした。
｢ねえ、Aはこれからも俺と一緒に、頑張っていこうねえ。みんなを支えられるようになろうねえ｣
｢...うん、もちろん｣
そう言ってまた目を閉じるこうくん。私も、少しだけ心が暖かくなった気がした。
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かすがわ(プロフ) - 楽しく小説読ませていただいてます！ 少し気になっしまったので、言わせていただくのですが、福良さんは河村さんのこと確か「河村」呼びだった気がします…! (2019年9月19日 23時) (
レス) id: 13a71039dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おとわ | 作成日時：2019年9月5日 0時
