理系女子の活動日誌【QK】 (ページ4)

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結局、昨日たくろーさんは女の子を紹介してくれなかったので今日も私は1人でキャンパス内を歩いています。寂しいですよ、ええ。もちろん。

そりゃ、こうくんっていうお友達がいるんですけど、歳は同じだけど学年違うし学部も違うし、まず講義で関わる機会がない。

あと今からの講義は私はもう取っている単位、という扱いなので暇暇の暇。だって105分って、友達もいない私は何をして過ごせばいいのか。

とりあえず歩くの疲れたから図書館行こ。

向かってみると結構遠かったから、途中で食堂に向かおうかと思ったけど本が読みたかったのでやめた。

着いたので少しだけだらだらして、個人的に好きな心理学の本を読むことにした。
心理学も実は専攻したかったけど、高専は理系。高専からのパイプには100%と言っていいほど文系への道はなかった。まあ当たり前のことなんだけど。
だから私はこうして自分の趣味の範囲として、心理学を学んでいる。

｢あれ、昨日ライターデビューしたAちゃんではないですか｣

｢え、そーくん？なんでここに居るんですか？｣

声をかけられて振り向くと後ろにいたのは医学部のそーくん。あれ、講義は...と考えていたら、どうしても読みたい本借りに来たんだよね、偶然。と教えてくれた。

｢記事、面白かったよ。Aちゃんはクイズ作るよりああいうコラム作る方が向いてるね。おれとは関わりのない分野だったのもあるけど、内容に惹き込まれちゃった｣

そう目の前で褒めてくれると、私も照れないわけがなく、頬を少しだけ桃色に染めてしまう。

｢えへへ、ありがとうございます。そーくんは人間の命を助けたり、支えたりしてますけど、私たち工学系は機械やロボットに命を吹き込んだり、助けたりしてるんですよ～。そう考えたら、関わりのある分野じゃないですか？｣

なんてらしくなく真面目に、ちょっとしたり顔を作ってそーくんに言うと、素敵な考え方だね、と言ってくれた。

それからはお互い話す、という訳でもないが一緒にいて、お互いの目当ての方をただ、黙々と読んでいた。
熱中することが目の前にあるからか、無言といえど気まずくなく、むしろ居心地のいい空間だった。

そーくんと居るとあっという間に時間はすぎていった。そのままの流れでそーくんと美味しくご飯を食べた。お金まで出してもらって申し訳なかったけど、先輩だから、と言われて断れるはずもなく、有難く頂いた。

よき先輩に出会えて嬉しいなあ。