あと五日 ページ4
「あと五日で世界は終わります。」
特に何も無いまま迎えた二日目。
ちなみに、ウォルピスとは一緒にゲームしたりして一緒に過ごしている。
今日は映画館に行くらしい…果たしてちゃんと営業しているのだろうか。
「いすぼくろ、用意できた?」
「おう」
「じゃ、行こうか」
にこ、と微笑む笑顔はどこかぎこちない。
すらりとした高身長の体に黒いパーカーを着こなす彼は、どこか淋しそうな背中を揺らして玄関のドアを開けた。
「…何の映画見んの?」
「恋愛モノ」
「は、」
無言が気まずくて何となく聞いてみた問いの答えは、驚くほど俺にも、もちろん彼にも似合わないジャンルだった……。
恋愛モノって。
「…マジ?」
「マジマジ」
「何で」
「一生に一回は見てみたくない?」
「男2人で?」
「出来れば可愛い女の子と来たかった」
「ふざけんなww」
気まぐれな彼のことだから、と納得する事にした。
というか、こんな風に笑い合えるんなら何だっていい。
どうせあと5日で終わるんだから。
精一杯楽しむべきだ。
_心に抱えたこの想いを伝えるかどうかは別として。
鑑賞終了。(ちなみにちゃんと営業してた。こんな時まで大変だな)
感想。クソつまらんかった。
唯一良かったのは主演の女優さんが可愛かったことくらいで、内容はクソ、というか寝てた。
…なんてことを誘ってくれたウォルピスに言う訳にもいかず、どうしたら良いのかと彼の方を見ると、
「はっきり言ってクソ」
と大きな欠伸をこぼしていた。
そんな自由極まりない態度が何だか彼らしくて、思わず笑みがこぼれる。
「いすぼくろは面白かったの?」
「いや、あれなら2時間猫を眺めてた方がマシ」
「何それ退屈すぎじゃんww」
いつもと変わらないやりとり。
外は相変わらず土砂降りだけど、何だかそれも許せる気がした…
そんな時。
「ん?」
彼のスマホが、ポケットでヴーヴーと音を鳴らした。
「行ってら」と言うと、ウォルピスは「ごめん」とだけ言って、俺から少し離れた所でスマホを耳に当てた。
「_。__…」
何となく暇で、帰りにそこら辺の喫茶店にでも立ち寄ろうかな、なんて考えてる内にウォルピスが戻って来た。
「誰から?」
「え?えっと…souくんだよ」
「なんて?」
「…」
あまり気にする事じゃないかもしれないし、俺には言えないことかもしれないけど、聞かずにはいられない。
だって、明らかにウォルピスの表情が暗いから。
さっきまで笑って話していたのに…可笑しい。
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さながらチーズ - 感動しました!!しかもウォル可愛よずぎるし総受け神です!ありがとうございます! (2023年1月27日 18時) (レス) @page14 id: 2072c437e5 (このIDを非表示/違反報告)
用心棒(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます…!!!とても嬉しいです(*´▽`*) 総受けですか〜〜!!頑張ってみますね・・! (2019年10月10日 20時) (レス) id: a847c84393 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - とても面白かったです!いすぉるもそううぉるも好きなんで嬉しかったです。・・・次は総受けとかどうですか(コソッ (2019年10月8日 23時) (レス) id: bbdc90dad1 (このIDを非表示/違反報告)
用心棒(プロフ) - 柚の樹さん» ありがとうございます…!!気合いを入れて書いたのでそう言って頂けてとても嬉しいです!いすうぉるいいですよね(*^^*) (2019年9月29日 19時) (レス) id: a847c84393 (このIDを非表示/違反報告)
柚の樹(プロフ) - 最後までめっちゃ面白かったです!いすうぉる良き・・・ (2019年9月29日 16時) (レス) id: 1caf0e6895 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:用心棒(元アカツキ@鞠) x他1人 | 作者ホームページ:https://twitter.com/asgonitiak?s=09
作成日時:2018年11月4日 1時