ろくわ ページ8
『行ってきます』
「いってらっしゃーい」
今日こそは学校に行くことができる。
そんな当たり前のことにホッとして家の扉を開け、外に出る。
ぶんぶんと手を振る真白の見送りを背に受けながら、学校に向かう登下校道についた。
『…それにしても、気合い入れすぎたかなあ』
昨日のことのようにはなるまいと、真白と一緒に朝4時に起きて支度を始めたのはいいものの、二人だからか思いのほかはやく家を出てしまい、現在6時前。
道には人はいなくて、ちょうど太陽が昇り始めて白みだした空を仰ぐと、世界に自分しかいないみたいな感覚に陥る。
少し肌寒い空気の中、深呼吸してからまた歩きだした。
これがあるから早起きは気持ちいい。
ここは自分以外誰もいない。
ただ、一人の教室は何故か心細いけれど。
ゆっくりと歩いているうちに、学校の校門が見えてくる。
校門はどうやら開いているけど、やっぱり生徒は俺以外まだきてないみたい。
自分の足音だけが響く静かな校舎を歩いて、廊下側に「1-A」という看板がぶら下がる教室へ入る。
中にはやっぱり誰もいなくて、真っ暗な教室の前方へ移動して電気を点け、そのまま席につく。
俺の席は廊下側の一番後ろ。
席替えの時は死ぬほど喜んだけど、教師っていうのは後ろの方ばかり気にして、案外前の方が寝たりしてもバレない。多分。
『……ふう』
荷物を片付けて、暇な時間がやってくる。
何もすることがなくてぼーっとしているうちに、頭に真白のことがふと浮かんだ。
今では真白は、はじめてあった時の面影をすっかり無くしてる。
寝て起きたら、急にあんな感じだった。
_わかってもらえなくて…。
家族にもわかってもらえなかった、と言っていた。
病気か何か、なのかな。
性格が突然変わる病気なんて存在するのか?
真白に聞けば、何か分かるだろうか。
「わっ!」
『うわあっ!?』
突然背後からどん、と背中を押され、びっくりしながらも犯人の正体を確信して振り返ると、そこには案の定、長い付き合いで親友の山下 陸 がいた。
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大手裏剣(プロフ) - アカツキ@鞠さん» いーよー (2019年1月17日 19時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ@鞠(プロフ) - 大手裏剣さん» あああありがとう!!!載せてもいいかな? (2019年1月17日 17時) (レス) id: ccc67f90c9 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 主くんっす (2019年1月17日 1時) (レス) id: 001fa74876 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - はいどーぞ!色なしだけどすまん。 http://uranai.nosv.org/uploader/common/1/3/c/13c74935e0f1dc05a6b45d28af403606.jpeg (2019年1月17日 1時) (レス) id: 001fa74876 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ@鞠(プロフ) - 大手裏剣さん» ありがとう!おかげさまで…w 本当!?ゆっくりでいいから描いておくれ!どっちでも描きやすい方!! (2019年1月15日 17時) (レス) id: ccc67f90c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ@鞠 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/twrt5181222/
作成日時:2019年1月1日 16時