【オリジナルBL】まっしろなゆめ【男主】 (ページ6)

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ごわページ6

『あのね、真白』

柔らかい真白の髪を梳くように優しく撫でながら、ゆっくり、ゆっくり言葉を紡いでいく。

『俺は真白のこと何にも知らないし、多分、何にもわかんない』

「……」

『でもね、きっと、真白のそばにいてあげられるよ』

「……！！」

ぽん、ぽんと背中を叩いてあげれば耳元から真白の泣き声が聞こえてくる。

「A、俺っ、だ、誰にも、わかって、もらえなくて…！」

『うん』

「家族にもっ、…だから、だからぁ…！」

『うん、大変だったね』

「俺、Aにまで、すて、捨てられたら、どうしようって、思って」

『大丈夫だよ』

「うんっ、あり、ありがとぉ…！！」

ひぐ、という嗚咽と共に肩がじんわりと濡れる。

『あーあ、こんなに泣いちゃって、イケメン顔が台無しだよ？』

肩から震える真白の頭を離して、柔らかいほっぺを両手で包み込むようにしてからおでこ同士をくっつける。

「……お、俺、いけめん？」

『うん、めっちゃかっこいい』

「けっ、結婚、したい？」

『俺が女だったらもう告白してるかもね』

「ほ、ほんと！？」

ぱああ、と目を輝かせる真白。

『ほんとほんと、マジで』

そう答えればごしごしと目を袖で擦って、涙を完全にではないけど拭いてから真白は言った。

「じゃあ、俺、大きくなったらAと結婚する！」

『ええ、ホントに？楽しみだなぁ』

「うん！ぜったい！！」

何だろう、すごい嬉しい。
お母さんが小さい子供に「将来お母さんのことおヨメさんにする！」って言われた時って、こんな気持ちなんだ。
そんな何ともいえない幸福感に包まれながら、真白と指切りを交わした。

…いつか真白がこのことが黒歴史だと思えるような年頃になった時のために、今の「イケメン～」のくだりを録音しておいたのは内緒だ。

「A、何してんの、ご飯食べよー！」

『はーい』

ほんのちょっとのイタズラ心と一緒にスマホをしまって、リビングに向かった。