и22. ページ22
藤「はい着いたー」
思わず表札を確認してしまった。
ちゃんと「Fujii」と筆記体で書いてあるから納得できたけど、なかったら…
だって何ここ。
白いし広いしでかいし。
ここ一人暮らしってどんだけ金持ち…
藤「あ、ちょっと待ってな鍵出すから…んーー…あれ、鍵ー…どこやったかな、鍵鍵鍵…あった」
時間かかるなー…
ゴソゴソすごいし。
ガチャ
藤「どうぞー。あ、風呂沸かしてくるわ」
バタバタと、長い廊下を走り回ってお風呂を沸かしに行った藤井。
…こんな豪邸とか聞いてないねんけど。
なんなん、天井吹き抜けやし。
食卓の上ミニシャンデリアみたいなんあるし。
ソファーもテレビもなんか全部でかい。
緊張して座れもせん……
お風呂も絶対薔薇風呂とかちゃうん笑
藤「何で立ってんの笑 座りー」
いつのまにか戻ってた藤井に肩をポンッと押され、ソファーにボスンとはまった。
「うおっ…」
藤「おっさんやん笑」
そしてその横に来たボスンッという二度目の緩い衝撃。
地味に距離が近い。
いや、ガッツリ近い。
藤「家出の理由は聞かん方がええかな?」
そのまま喋るから、耳に直に低い声が届く。
「……うん」
藤「そか。じゃあ聞かんとく」
それ以降話題がなくなってお互い無言。
携帯に送られてくるピコンという音だけがこの場を保たせている。
見なくても分かるからいちいち見ーひん。
横のやつはチラチラ心配そうに携帯とあたしの顔を見比べるけど。
淳太にあたしが本気ってこと思わせやな。
ホンマは痛む心を鬼にして、今日あたしは帰らない。
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作者名:カジャ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kajya1734
作成日時:2017年6月3日 20時