☆― 44 ―☆ ページ44
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止まない雨。
冷える体。
期待したナニかはないまま、時間だけが過ぎていく。
体力的にも精神的にも もう限界。
A「(終わり…ね…。)」
そう言う事なんだろう……。
やっぱり私とアイツは繋がらないんだ。
たぶんもう、ココにもいなんだろう……。
そう見切りとつけて、立ち上がった。
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「Aっ！！」
その声に――――、心が震える。
私が想像とは違う場所から現れたその人は、
傘も差さずに走ってきて、
二宮「お前、ナニやってんの！？」
息を切らしながらそう言った。
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二宮「エレベーターから下見たら よく似たヤツがいるから。」
A「あ……。」
二宮「はぁ〜。ビックリだわ。」
A「……居た。」
二宮「ナニやってんのよ？こんなとこで。」
肩で息をしながら、
ひとり勝手にしゃべるコイツはすごく驚いてるみたい。
だけど――――、
私も驚いてる―――――。
A「…ぃたッ…。」
諦めてた。
もうムリなんだって諦めてた。
なのに―――――、
まだ居たことに―――――、
また会えたことに――――――、
駆け出てきてくれたことに――――――、
じんわりと目頭が熱くなる。
A「お誕生日…、おめでとう。じゃ…。」
二宮「…え…ナニ？」
言い逃げしないと―――――、零れそうだった。
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本当は走り出したかった。
けれど、そうすればやっぱり零れそうで。
可笑しな歩き方になっていたんだと思う。
二宮「おい。(笑)」
私の腕を掴んだコイツの声が笑ってて。
引っ張られた反動で持っていた傘が飛んだ。
A「あ…。」
雨が―――――、顔を打つ――――――。
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誤魔化せるかと思ったのに、
雨はそこまで私の顔を濡らしてくれなくて、
二宮「…ナニ…泣いてんの？」
A「……泣いてない。」
逸らした視界の中に一瞬 映ったコイツは、
驚いた顔をしていた。
二宮「……泣くほど、俺に会いたかった？」
A「……ちッがう…。」
違わない―――――、
会いたかった―――――。
すごく―――――、会いたかった―――――。
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作者名：舞
作成日時：2016年5月15日 0時
