☆― 38 ―☆ ページ38
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だから―――――――、
A「(今週は１人か…。)」
電話でアイツには大口を叩いたって言うのに、
週末が近づくにつれて仕事にもなんだか身が入らなくて、
正直、何をやっててもつまらない。
A「ねぇ？明日 飲みに行かない？」
アイツ以外となら、
そろそろ解禁にしてもいいかな？って思ってたお酒も、
「あ、ごめんなさいAさんっ！明日は松本さんとデートなんです♡」
A「エっ？(゜ロ゜)！いつの間に！？」
「えへ♡」
ルカちゃんにまで断られる始末。
マミも相葉さんとの週末デートを楽しんでるみたいだし、
A「(仕方ない…。)」
明日は大人しくする代わりに、
今日、お惣菜でも買って帰ろう…。←
.
いつもの時間に１階ロビーを通り抜ける。
金曜日じゃないって分かってるのに、
いつもアイツが待ってる場所をついつい見てしまうのはもう癖だ。
外食慣れして少し舌の肥えた私には、
コンビニやスーパーのお惣菜じゃ物足りなさそうで、
家でなら飲んでも誰にも迷惑かけないし、
A「(デパートに行こうっ♪)」
美味しいお料理とお酒をゲットすべく、
少し足を伸ばした。
.
それが――――――、いけなかった―――――。
.
デパートの１階フロアーを冷やかしながら、
Ｂ１を目指してる時だった。
A「！？」
忙しいって言ってたのに――――――。
A「(なんで……？)」
アイツが――――――、
二宮和也が――――――、
A「………。」
女の人と一緒にいた――――――。
.
A「(もしかしたら……。)」
職場の同僚で、
市場調査、とかなのかもしれない。
だけど片手をスラックスのポケットに入れて、
もう片方の手には鞄を持ってる姿は、帰り際にも見えて。
何よりその表情が―――――。
おすすめの香りでも指差してるのか、
ポケットから出た左手が、女の人をちょんちょんっと突いた時の、
その表情が柔らかくて――――――。
A「………。」
アイツに気が付かれないように―――――、
逃げるように―――――、
私はその場を離れていた―――――。
.
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作者名：舞
作成日時：2016年5月15日 0時
