☆― 36 ―☆ ページ36
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二宮「はぁ〜食ったな。」
ポンっとお腹を叩くコイツと、
コーヒーショップの街路を見渡せるカウンター席に座った。
A「ご馳走様でした。」
二宮「どういたしまして♪あ、ご馳走様です。(笑)」
A「どういたしまして。お安いものでごめんなさいね。」←素直じゃない
二宮「(笑)」
最初ほどの高級店じゃなくなったものの、
金曜ごとに連れていかれるお店はどこも美味しくて、
その度にコイツにご馳走になってて。
さすがにちょっと気が引けていたところに、
『あそこでコーヒーでもどう？』って、
これまでは食事をしたら帰るだけだったのに、
珍しくコイツがそう言ったから、ここのコーヒーは私が奢った。
二宮「お前、まだ酒 絶ってんの？(笑)」
A「……うん。」
あの日の失態があったから。って言うのも もちろんあるけど、
『何かしらあるでしょ？』
そうマミが言ってた“何か”を逃さないように。
コイツとの食事では お酒を飲まないようにしている。
二宮「俺だけ頂いちゃってすみませんねー。(笑)」
んふふっと笑いながらコイツは言うけれど、
気にせず飲んでくれて私の方は助かってる。
気を使わてる。なんて思いながらじゃ、
“美味しい”食事なんて出来ないもの。
二宮「あんな モノ欲しそう顔すんなら飲みゃいいのに。(笑)」
A「うっ……。」←自分でも気づいてる。
二宮「まぁ あの顔がイイんだけどね。(笑)」
A「……///。」
ふわりと緩めたコイツの視線が私を捕らえてる。
射るような、ドキっとするような視線ではないけれど、
敏感にアンテナを張ってなくてもわかる、甘い視線。
無駄に―――――、ドキドキする視線―――――。
二宮「(笑)そのうちストレスになるよ？」
A「///うっ…。」
二宮「(笑)“ストレス溜めるなら金貯めろ”」
A「ナニそれ？(笑)」
二宮「ん？二宮家の家訓。」
A「嘘でしょ？！(笑)」
二宮「ホント。ホント。(笑)
うちの母ちゃん、ちょっと面白い人じゃん？」
A「あ、うん。そうだったかも。(笑)」
もう随分お会いしてないけれど、
二宮(母)はさっぱりした物言いをする、だけど笑顔のカワイイ人だった。
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作者名：舞
作成日時：2016年5月15日 0時
