☆― 30 ―☆ ページ30
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ジューシーな肉汁と程よい塩分。
それと口の中に甘く広がるトリュフの香り。
A「(美味しいッ！(*ﾉД`*)ﾀﾊｯ!)」
二宮「お前が言ったんだろうが。」
A「ん？(ﾓｸﾞﾓｸﾞ)」
二宮「ヒレステーキを食わせろ。って。」
そう言いながらコイツもハンバーグに箸を伸ばす。
割ったハンバーグの溢れる肉汁に、
「おおっ！」って少しテンションが上がったみたいだけど、
私は――――――、
A「(そんな事…言った…？)」
租借しながら考えていた。
.
A『どうせハンバーグも食べさせてくれないんでしょ！？
居酒屋なんでしょ！焼き鳥なんでしょ！(｀ε´)』
二宮『でもイイけど？(笑)』
A『イヤよ！……あ、わかった！アレ食べたい！』
二宮『ナニ？』
A『ヒレステーキっ！ヽ(≧▽≦)ﾉ』
.
A「(言った……。)」
二宮「で、どうなのよ？お味の方は。」
いつの間にか咥え箸になってた私を、
コイツがカウンターに両肘をついて覗き込む。
A「お、いしい。」
二宮「そ♪」
A「(なッ��(ﾟﾛﾟ*)！)」
なんて顔ッ…するのよっ///(*ﾉﾉ)
スーツなんか着ちゃってるくせに、
嬉しそうに微笑んだコイツは
可愛いっ！！って叫びたくなる幼さが見えて。
ホントに可愛くて、可愛くて、可愛くて。
私の頬が熱くなる。
なのに同時に、
胸がぎゅ――――っと苦しくなった。
―――――――、ような気がした。
.
A「////…ね？ １切れ食べてみない？」
赤い頬を隠したくて、
そう言いながら手早くシェフが切ってくれた、
ひとくちサイズのお肉をさらに半分にする。
A「ホントに美味しいの！
これくらいならお腹 痛くならないかもしれないし。」
二宮「え――、イイよ。」
A「そう言わずに！ね？食べてみてって！」
二宮「……大野さん、みたいんだな…。(ﾎﾞｿ)」
A「ん？？――ほら♪」
受け皿に乗せたそれをちょうどコイツと私の真ん中に置く。
じ―――っとそれを見つめたコイツ。
ホントに苦手なのかもしれない…。
無理強いしちゃったかも…。
そう思った矢先、コイツは。
二宮「んじゃ。」
カウンターに片肘をついたまま、パカリと口を開いた。
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作者名：舞
作成日時：2016年5月15日 0時
