☆― 26 ―☆ ページ26
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ただ―――――――、
A「(出張でよかった…。)」
風邪を引いた訳じゃなくて、良かった……。
そこだけはホッとした。
けれど何とも言えないモヤモヤは、
ローテーブルに置いたスマホが鳴るまで、消える事はなかった。
.
家に着いてしばらくして鳴ったスマホは、
なんとなく予感めいたものがあった。
A「………。」
知らない番号。
いつもの私なら何度も同じ番号から かかってこないと出る事はない。
A「……もしもし。」
なのに出たのは、
確証はなかったけど―――――――。
『もしもし？俺。』
そうじゃないかと思ったから。
『二宮だけど。』
アイツじゃないかと、思ったから―――――――。
.
二宮『この間のカレー美味かったわ。』
A「でしょ？(ﾄﾞﾔ)」
私もアイツも、
番号を“誰からどうやって”入手したかは触れなかった。
二宮『あのカレーさ、なんかちょっと違うな。って思ったんだけど。』
A「んふふ〜♪」
気になっていた体調のコトも、
A「特別な隠し味があるのよ。(ﾄﾞﾔ)」
二宮『へー、ナニ入れてんの？』
忙しいと聞いた仕事の事も、出張の事も、
A「当ててみて？」
二宮『はぁ？もう無理だわ。』
A「ちょっと！少しは考えなさいよ。“(*｀ε´*)ノ」
二宮『いやいやいやいや、もうアレ何日前の話よ。(笑)』
なぜ、会いに来ていたのかも。
A「ホントに分からないの？
しょうがないわね〜。隠し味は〜。」
私は――――――、触れなかった。
.
その日から―――――、
今度は毎日、電話がかかってくるようになった――――。
.
A「へぇー、そうなんだ。ズズ―――――。」
二宮『………つーか お前。』
時間はバラバラだったけど、
大体、定時後１時間〜２時間くらいの間で。
二宮『なんか食ってんだろ？』
A『ふん。(うん)』
帰宅途中の道中だったり、
二宮『ナニ食ってんの？』
A「ラーメン。」
二宮『お前ッ…今どこにいんの！？』
A「家。ふーふー。ズズ――――――ッ。」
二宮『………。』
今日みたいに夕食の途中だったりした。
.
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作者名：舞
作成日時：2016年5月15日 0時
