☆― 25 ―☆ ページ25
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A「“ニノ”って……“二宮さん”ですか？」
櫻井「？そうだよ？」
私の質問に、きょとんとした顔で櫻井さんが答える。
櫻井「Aちゃんがお持ち帰りされちゃった二宮。(笑)」
A「………。」
櫻井「あははは…は…え？(｀･3･´;)」
A「………。」
冗談のつもりで言った櫻井さんの言葉も私の耳にはあまり入ってなくて、
頭の中が――――――、混乱してる―――――。
アイツが―――――――、
“一番忙しい”――――――。
そんなバカな――――――。
.
櫻井「昨日まで強行スケジュールで現地だったし。」
A「……。」
櫻井「帰って早々 今日は報告会のオンパレード。」
A「……。」
櫻井「その現地出張の下準備でこの土日はどっちも出たみたいだし。」
A「………。」
櫻井「連続勤務、１０日は超えたんじゃないかな？」
A「……。」
櫻井「先週は定時前から２時間程ふらりと居なくなった。って大野さんが言ってたけど。」
A「………。」
櫻井「アイツもこうやって息抜きしてたのかな？」
ノンシュガーのラテに櫻井さんが口を付ける。
その様子を私はぼんやりと見ていた。
.
“今度は飲みに行こう。”
そう言いながらスマートに差し出されスマホ。
流れるように連絡先を交換し、櫻井さんは私を駅まで送ってくれた。
A「(連絡先って…。)」
その気になれば簡単に得る事が出来る。
ホームに立って電車を待つ間、握ったスマホを見て思う。
アイツがそれをしないのは、そこまで私に興味がないからだ。
そうだと思っていたのに――――――。
A「(なんで…。)」
『先週は定時前から２時間程ふらりと居なくなってた。』
その時間は意味も無く、私を家まで送ってくれてた。
『この土日はどっちも出たみたいだし。』
土曜の朝までは確実に、私の家にいた。
忙しいのなら、なぜ？？？
休日出勤をしてまで、なぜ？？？
電車に揺られながらも、
駅からの道中も、
何度もソレが浮かんでは消える。
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作者名：舞
作成日時：2016年5月15日 0時
