☆― 19 ―☆ ページ19
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A「ちょっ…ちょっと待ってて！！」
二宮「？？」
A「動かないでよ！！」
会社前の少し大きな道路なら――――――。
A「タクシー！！！」
タイミングよく見つけたソレに大きく手を振ったら、
気付いてくれた運転手さん。
A「和くんっ！！」
二宮「……！？」
A「乗って！」
慌てる私を見てコイツは驚いてるみたいだけど、
そんなこと気にしてられない。
風邪なんて引かれたら堪ったもんじゃない！！
A「運転手さん！暖房キツくして！」
「えっ！？」
A「いいから！！」
「はいっ！！」
二宮「ん…ふふ。(笑)」
私の気迫に圧倒されながら、運転手さんが冷房から暖房へと切り替える。
温かい風が車内を埋め始めて、そこでやっと私は少し落ち着いた。
隣ではコイツが―――――、くすくすと笑っていた―――――。
.
安易だった。
って言うか、何も考えてなかった。
A「………何か飲む？？」
二宮「ビール♪」
A「……はい。」
丈が全く合っていないスエットの上下を着たコイツが、
ガシガシと髪を拭く。
A「…どうぞ。」
二宮「さんきゅ。」
A「(どうしよう…。)」
とりあえず体を温めないと！って、それしか頭になかった…。
だからって――――――、
家に連れてくることは――――、なかったねよ…。orz
二宮「はぁ〜うまいっ！」
A「……。」
ほんの１時間前は捨てられた子犬のように震えてたのに……。
今じゃ少し頬を赤くして……、ホクホクしてるじゃない！！
立ったまま すごく美味しそうにビールを流し込んで、
手の甲で口元を拭ったコイツ。を見上げる私。
あまりにもその飲みっぷりがよくて、
A「(ｺﾞｸﾘ)」←生唾
二宮「飲む？」
A「……いい。」
二宮「そ。」
思わず差し出されたビールに手が伸びそうになったけど、
それは何とか耐えた。
A「…っちょ…っ！ナニ？！」
グリグリとコイツの膝が私の肩に押す。
二宮「んっ！」
A「……。」
ビールの缶を唇に当てて顎をクイクイっと動かすぐらいなら
退いてって言えばイイのに……。
押されて出来たソファーとローテーブルの隙間に、
二宮「よっ…とっ！」
ちょこんとコイツは座った。
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作者名：舞
作成日時：2016年5月15日 0時
