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4月20日 新宿区 私立海央学院高等部

少年は過ぎていく日常に退屈していた。
教卓では教師が怠そうに進路の話をしている。
つまらない。その一言が少年の脳内をいっぱいにふる。頬杖をつき小さくため息をつくと窓の外を見た。

「えー、そして次は残念な知らせだ。
昨夜、この学校の生徒が何者かに襲われて意識不明の重体らしい。
誰がやったかはわからないとの事だ。
みんなも気をつけろよ」

クラスメートの女子達が えー、こわーい だの 今日は一緒に帰ろう だの言う。
それはどう考えてもいい知らせではなかったはずだ。しかし少年の口角はつり上がっている。
クラスメートからの少年のイメージは優しく真面目な優等生。
それもそのはず、その少年はクラスの委員長なのだ。
だがそんな生徒がくらい知らせを聞いて笑っている。くつくつと、小さく喉を鳴らしながら。

誰も気づかない。



「つまらなければ面白いものを作ればいいんだよね」

楽しそうに言う少年の声は誰にも届かない。

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作者名: | 作成日時:2020年9月10日 20時

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