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貴方side
今日はお花のお届けの注文があった為隣町まで足を運んでいた
私も隣町にまで知られるくらい有名になったのかな〜なんて笑
「よぉ、姉ちゃん」
「何してんの〜?俺らと遊ぼうよ」
『い、いえ…仕事中ですので』
「そう言わずにさぁ」
『困ります!お客様にお花を届けなきゃ…』
「そんなの後ででいいじゃん」
『ちょっ、』
腕を掴まれて連れていかれそうになった時、背中にゾクッとした寒気と聞き覚えのある声が聞こえた
「邪魔よ。そこどくね」
『!あっ、あの時の…!』
「なんだあお前?」
「邪魔はお前だろ!このチビが!」
「死にたいか?」
「この…!」
今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気に慌てて仲裁に入った
『わーーー!!喧嘩はダメです!』
「邪魔ね」
『〜〜〜〜〜〜こっち!』
「!」
穏便に済ませるにはこの場から逃げるしかないと思い彼の手を掴み走り出した
しばらく走っていると足がもつれ転びそうになった時、咄嗟に彼が支えてくれた
顔の近さに驚きつつ慌てて離れ頭を下げた
『ごっ、ごめんなさい!』
「…なぜワタシの手を掴んだか」
『え?なんとなく…?』
「…」
『?あっ、助けてくれてありがとうございました!』
「助けたつもりないよ」
『でも助かったので!』
笑顔で伝えると怪訝そうに私を見つめる彼に苦笑いを浮かべた
『そうだ!お礼にコーヒーでもご馳走させて貰えませんか?』
「いらないね」
『コーヒーは嫌いでしたか?じゃあクリームソーダが美味しいお店が近くにあるので行きませんか!』
「なぜそうなるね。礼がいらない言てるよ」
『そうですか…』
残念だけどしつこく誘ったら迷惑だもんね…仕方ない。
少しだけ落ち込んでいると彼が私に向かって何かを差し出した。よく見るとそれは私のハンカチだった。
そういえばあの時ハンカチ渡したままだったっけ
『もしかしてこれを届けに来てくれたんですか?』
「そんな訳ないね。たまたまよ」
『そうですか!ありがとうございます!』
「なぜお前が礼を言うね…」
『?』
ハンカチを押し付けてくる彼からそれを受け取ると何も言わずにどこかへと去っていく様子をボーッと眺めた
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作者名:はっとり | 作成日時:2023年11月20日 23時