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準備が整いお店をオープンするといつも通り賑わっている街並みを見て「今日はどんな事があるんだろう」とワクワクで胸がいっぱいになった

花屋を開いて5年。この街にもだいぶ慣れたし今じゃ地元の人達との交流も増え毎日楽しく暮らしている




「おはようAちゃん、今日も素敵なお花ねぇ」

『おはようございます!珍しいお花が入手できたんですよ〜!』

「まあ綺麗。包んでもらえるかしら?」

『ありがとうございます!』

「Aお姉ちゃんおはよお!」

「おはよー!」

『皆おはよう!いってらっしゃい!』

「「いってきまーす!!」」




常連さんにブーケを束ね、学校へ向かう子供達と挨拶を交わす、これがいつもの朝だ。
明るく情に溢れているこの街が私は大好きだ




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人が空いてきた頃、お花達の手入れをしているとカランコロンと音を立てながら扉が開いた





『いらっしゃいませ!』

「…」




振り返るとそこにいたのは初めて見るお客様だった。
背は低めで真っ黒な髪にあまり目つきのよくない男性…ってそんな事思ったら失礼だよね!




『どんなお花をお求めですか?』

「なんでもいいね」

『えっ、なんでも?』

「早くするよ」

『か、かしこまりました!』




なんか怖い人だな…何でもって言われても困るよ〜!
…ううん、花屋としてお客様が求めるものを用意しなきゃ!
スーツって事は大事なお仕事…?いやでも花を用意するって事はデートかも!?もしかしてプロポーズだったりして…!

勝手な想像を膨らませてドキドキしながらプロポーズに相応しい花束を用意した




『お待たせしました!こちらでいかがでしょうか?』

「…いくらか」

『1500円ジェニーです!』

「…」




金額を伝えると彼はお金を置いてそのまま黙って店を出ていってしまった

あれで良かった…のかな?
文句が無かったって事はきっと良かったって事だ。うん、そう思う事にしよう。





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作者名:はっとり | 作成日時:2023年11月20日 23時

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