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何時間経ったんだろうか

朝方に放り出されて、今はすっかりこの灰色の空の天頂から夜の影がにじり寄ってくる頃

そんな時間帯にやってきたのは主人の娘で、両手にウジ虫だったりが寄生した食材の乗ったお盆を持っていた

血のつながりがあるのかどうかは分からないけど、娘にそんな死んだ目をさせ続けるなんて、主人はおかしいんだなと改めて思う

壁から伸びる鎖があまりにも短い枷につながれている俺からは、どう頑張っても届かないところにお盆を置いて娘は去って行った

悪趣味だ

人が人として扱われない世界にどうしてきてしまったんだろうか

体内に残る水分を逃がしたくなくて、麻痺して流れることすらなくなった涙を我慢した。

いっそのことこのまんま寝てやろうか

そうやって凍死して楽になるのもまた良いかもしれない

もう一度転生できるかとか、そんなの知らねぇし確証ねぇけど、そこまでカミサマだって冷たくはねぇよな?

どうせなら暖かいところで寝たかったけど

暗闇に沈もうかとしたとき、目の中に雪が入ってきて冷たいし痛いしで目を擦れば今度はただの自然現象で、屋根に積もっていた雪が降ってきた。

そんなに多くは無かったから、衝撃も少なくて埋まらなかったけど、眠ってしまうのが少し怖くなった。

楽な場所に逃げるな、と自然世界そのものが言っているように思えてしまう

だったらどうしろってんだ

今まで散々もう良いだろうがっつーほどに頑張って耐えてきたんだから、褒美くらい与えてくれよ

「どうせ外にいるんだったら、太陽の一つくらい見せてくれよ…」

別に晴れが好きって訳じゃねぇけどさ

声にすらならない、息だけのそれは白くなって空気に溶け込んだ

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作者名:ねっこんこん x他1人 | 作者ホームページ:http://nekokobuta  
作成日時:2024年3月20日 2時

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