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人が集まったのか全ての照明の光が消えた
かと思えばステージにスポットライトが一点集中して、袖から出てきた仮面男をスクリーンが映しだしていた
意気揚々とした大げさな口ぶりで男は商品全体の説明をしていて、上質なモノが手に入ったとその口から告げられれば
歓声と共に会場全体から拍手が起こった
グルッペン含めた三人もその場に合わせて軽い拍手をしているが、内心は心底最悪であった
「ここに来てる時点で言うのは変やけど、やっぱ好かんね。こういった場所は」
「そうだな。まぁ少しの辛抱だ、我慢してくれ」
作り笑いをしたまま、誰にも聞こえない声量で青色と黒色は短く言葉を交わす
仮面男が拍手をやめるように右手を挙げて、早速売買の始まりを合図した
ライブ会場の仕組みを使ったのか、人一人が入った鉄の籠がステージ下からゆっくりと現れる
スクリーンには籠の中身である人間の顔写真とプロフィールのようなものがそれぞれ片方ずつに映し出された
写真は中性的な男で、プロフィールによればおよその年齢でも25以上はある様子だった
この人物は求めている人と当てはまらない
辺りで騒がしく値段のかけ声がどんどんと上がっていくのを聞き流して、次が来るのを待った
鬱は、子供でも顔が良ければ将来確実に化けると踏んでおり、ショッピは幼い女を愛でたいとのこと
次に次にと値段が上がって決定されて、新たな商品とされる人間が現れるのを何回か繰り返したときに
ピッタリの人材が来た
しかし、それが仮面男が言った”珍しい上質なモノ”
であったらしく、興奮気味に紹介がされていた
「お次は中々手に入らないお嬢様!まだまだ幼くて調教が大変ではあると思いますけど、それも醍醐味と言うものでしょう!」
スクリーンに映し出されたのは今までのとは違い、顔に傷一つすらついていなかった。
何処か死んだような目をしているが、可愛らしい整った幼い女の顔
プロフィールによれば出身や年齢、名前が細かく記載されている為、最近捕まってしまった子供であることが分かる
【エニス・シャルメック】
年は9つというのに、こんなふうに売られてしまうなんてとてもかわいそうだ
グルッペンが周囲の反応を伺ってみれば明らかに目の色を変えて、興奮している肥えた男共
ショッピも周囲の反応には気づいていて、絶対にこのエニスという少女は自分たちのもとに来させて、安心安全に暮らさせるんだ、と強く心に決めていた
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作者名:ねっこんこん x他1人 | 作者ホームページ:http://nekokobuta
作成日時:2024年3月20日 2時