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全身が冷たい
「………っ」
腕や足を手で擦って摩擦で暖をとりたいが、そんなことをしたら怒られてしまう
どうやってるのかは分からないが、主人は何故か俺達の行動を全て把握している
こんな人として扱われないような奴らにいちいち構うなんて、悪趣味だ
理由を絶対に言わない主人をどうやら自分は不愉快にさせてしまったらしく、冷たい水を頭からかけられて外へと放り出された
重くて冷たい枷を付けっぱなしに、この凍えるような冬の外
既に積もっていた雪の上に座ってどのくらい経ったのだろう
頭の上や服が破れてむき出しになった肩だったりに雪の小さな山が乗っかっている
体内の熱を持った溜め息すらつくことも許されず、ただいつものように長年置かれている自分の現状に対して、理不尽さを覚えた
逃げたくて飛び降りたんだけどなぁ
仲間外れとかそんなの耐えれるじゃんとか思ってた傍観者の自分で、いつの時かにその対象になった途端、陰口だって言われてすらないのに皆が自分を嫌ってるように思い始めて
来世こそはと思った先がこれだよ
親より先に死んだから天罰でもくらったんかなぁ
もっと苦しくて痛いんだったらあん時もうちょっと我慢すればよかった
何をするにも全てに怯えなきゃいけない今よりもずっと楽で自由だったし、何より冬はずっと温かかったから
寒さと痛みから背けたくて別のことを考えても、その思考が心を苦しませる
思わず吐いた息が温かくて、そしたら
頭上から冷たい水がドバッと降ってきて、全てが冷たさと痛みに変わってしまった
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作者名:ねっこんこん x他1人 | 作者ホームページ:http://nekokobuta
作成日時:2024年3月20日 2時