32.序曲エクシキューシャナー。 ページ32
あの騒動から数日後。
エース、デュースのふたりがオンボロ寮に遊びに来ていた時に、学園長は訪ねに来た。
「なんの用なんだゾ…。」
「実はキミたちにまたお願いしたいことがありまして。あぁ、ちょうどいいです、トラッポラくんとスペードくんにも手伝って頂きましょう。」
げぇ、と声を漏らすエースだが、要件は？と直ぐに切り替えた。
もはやこの短期間で色々ありすぎて、悪い意味で慣れてしまったのだろう。
それはどうやらユウやグリム、デュースも同じようで、4人とも学園長の答えを静かに待つ。
「皆さんにはルシルくんについて調べて頂きたいんですよ。」
「ルシル先輩、ですか？」
4人の頭の中に、先日の出来事が思い浮かべられる。
「ですが、学園長。俺たちはファテル先生からクルス先輩の事は詮索するなと釘を刺されていて…。」
「やはりでしたか。」
まるで予想していたかのような学園長の口振りに、皆が注目する。
「私、実はルシルくんの現状について病気と伺っていますが妙なんですよねぇ。」
「妙って？」
「あの、ファテル先生が治せない病気なんてこの世に存在しないんですよ。」
それはこの世界の人間であれば皆知っていることであった。
名医、ノア･ファテルに治せない怪我や病はない。
魔法で治せなくとも、彼にはそれだけの腕がある。
難病にかかった人は大金を払ってでもファテルに見てもらいたい、という程である。
「確かに……。ファテル先生は救っていい命とダメな命があるって言っていたけれど、ルシル先輩の命が救っちゃダメな命なら、なんであそこまで大切に匿っているんだろう…？」
ユウのその言葉にその場が凍りつく。
大切でなければとうに見捨てているだろうに。
つまり、ファテルが治せない＿＿＿ルシルは怪我や病では無い、ということになる。
「このまま彼が出席出来ずに退学になってしまうのも、こちら側としては優秀な生徒を失う訳ですから困りますしねぇ。おーいおいおい、なんて私生徒思いで優しいんでしょう！」
お得意の嘘泣きだろうか、しくしくと泣き真似をする学園長を白い目で見るものの、4人はルシルについて興味や心配があったため、二つ返事で学園長のお願いに答えることにした。
そうしてユウ達4人はルシルについて探り始めたのである。
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がばり - 気長に待っていますね 遅くなって申し訳ありません。合格おめでとうございます！ (2022年3月31日 15時) (
レス) @page41 id: cfe5869198 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 合格おめでとうございます。更新頑張ってください！ (2021年2月3日 9時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！応援しています！ (2020年6月17日 13時) (レス) id: 16d9298981 (このIDを非表示/違反報告)
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