28.友人スリープ!。 ページ28
「警備の時間に戻ってこないと思えばこんな所におったのか。」
「おい、お前、鍵かけた筈なんだがどうやって入ってきた。」
「鍵を開けることなど造作もないことじゃよ。」
2人の視線の先にはベットに寝かされたルシルがどこか苦しそうに眠る姿と、ベットに寄り添うように寝ているシルバーの姿があった。
微笑ましく見守るリリアに対し、いつも通り、不機嫌さを隠せていないファテルは、先程リリアが勝手に解錠した扉をもう一度閉めていた。
「やれやれ。気持ちよさそうに眠っておるのぅ。」
「ルシルは異常があるからコイツに搬送されてきたんだけれどな。」
すぴすぴと心地よさそうに眠るシルバーに対してルシルは時々呻き声をあげている。
シルバーが連れてこなければ大変なことになっていたかもしれないとファテルは悔しそうに口を零した。
「マレウスの魔力でも抑えられなんだか。既にルシルの体内からマレウスの魔力が感じられぬ。」
「ルシルの魔力がドラコニアの魔力を押し出した、と？」
｢いや、違う。｣
ルシルに特別な魔力がないことは本人やファテルも分かっている。
強いて言うなればユニーク魔法が危険という事くらいだろう。
そうなれば考えられることはひとつ。
外部からなんらかの干渉を受けているということ。
「恐らくこれは呪いの類じゃな。僅かに邪気が感じられる。」
リリアが再び以前と同じようにルシルの魔力を少し、体外に放出されると、今度は以前と違い、僅かに黒の混じった光が放たれた。
リリアが邪気を可視化したと言うと、ファテルはより一層顔を顰めた。
「姑息な真似をしよって。ここまでその邪気を隠せてきたということは術者は相当な腕じゃな。ファテルよ、呪いに心当たりはあるか。」
「術者に心当たりはない。だが、かけられるような原因は心当たりがある。」
そう言って、ファテルは1枚の手紙をリリアに読ませる。
手紙には幾重にも魔法が掛けられており、特定の魔法を上書きしなければ封が開けられない仕様になっていることから、その手紙の重要性が感じられる。
ファテルはスヤスヤと安心した顔で眠るルシルの頭をくしゃりと撫でた。
懐かしむように。
息子を見守る父親の様に。
「コイツがあんな家系じゃなくて俺ンとこに生まれれば良かったのによ。」
「それはお主が結婚せねば無理じゃぞ。」
「そういう現実的な話じゃねぇよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 453人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
がばり - 気長に待っていますね 遅くなって申し訳ありません。合格おめでとうございます！ (2022年3月31日 15時) (
レス) @page41 id: cfe5869198 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 合格おめでとうございます。更新頑張ってください！ (2021年2月3日 9時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！応援しています！ (2020年6月17日 13時) (レス) id: 16d9298981 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
