26.信頼ホワイト! ページ26
「そんじゃ、俺はまだやることがあるんで、帰りは誰かに頼むんスよ。」
ルシルはラギーに礼を言ったあと、シルバーを捜しきょろきょろと当たりを見渡す。
どうやらちょうど馬に乗っているらしく、待つしかない、とルシルはその場に腰を下ろしたものの、ルシルに気がついたシルバー君は馬から降りてルシルの元へとやってきた。
「シルバー！」
「ルシル…？どうしたんだ？」
「休んでたところのノートを見せて欲しくてさ。」
シルバーはルシルに関する大まかな事は知っている。
ルシルが初めて、他人に己の事を明かした人物はシルバーだった。
以来、シルバーはルシルを気にかけるようになった。
単に友達だから、気にかけているのかなんなのかは本人以外は分からないが。
「シルバー！貴様！部活中だと言うのに何を呑気に喋っているんだ！」
暫くルシルとシルバーが話をしていると、シルバーの後ろから怒鳴り声が聞こえてくる。
シルバーは一瞬顔を歪めたものの、振り返ることも無く、そのまま話を続け、その姿にルシルは苦笑いを零した。
「……そういえば、マレウス様と親父殿がルシルの事を気にかけていたぞ。何かあったのか？」
「無視をするな！！」
ズンズンとこちらに声の主、セベクが近寄ってくるものの、シルバーはそれでも尚気にしていない模様だった。
セベク、声が大きい、とも声を漏らしていた。
「あ、うん。今は大丈夫だよ。ほんの少しだけ、マレウス先輩の魔力を体内にいれたから、それの心配をしてるんだと思う。」
マレウスが訪れたその日。
前日にリリアが魔力を少し逃がして落ち着いていた容態はまた急変し、ルシルは苦痛に襲われていた。
「それじゃあ、明日ノート返すね。」
「待て人間！今、若様の魔力と言ったか！？」
「え？あ、うん。」
ルシルはセベクに質問攻めにあうが、絶対に口を開かなかった。
そういう男なのだ、ルシルは。
信頼しているものにしか自分の事を明かしたくない。
それがたとえほんの僅かなことでもだ。
シルバーがセベクを止めると、ルシルは帰るよ、と言い出した。
「それじゃ、また明日。」
「所でルシル。寮には戻れるのか？」
目が、泳ぐ。
ここまで辿り着けなかったルシルが寮に戻れるはずも無い。
ここでいつものように見栄を張らないのは相手がシルバーだからだろう。
「はぁ、着替えてくるから待っていてくれないか？絶対にこの場を離れるなよ？」
「ほんとごめん……」
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がばり - 気長に待っていますね 遅くなって申し訳ありません。合格おめでとうございます！ (2022年3月31日 15時) (
レス) @page41 id: cfe5869198 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 合格おめでとうございます。更新頑張ってください！ (2021年2月3日 9時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！応援しています！ (2020年6月17日 13時) (レス) id: 16d9298981 (このIDを非表示/違反報告)
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