19.いつも通りのつもり ページ19
■R制服パーソナルストーリー
「ここ……どこだ……シルバー…どこ？」
ルシル・クルスは今日もまた、迷子になっていた。
彼の方向音痴は今までどうやって生きてきたのだと思えるくらい酷く、それは学園中で知られていた。
確かに数分前まで同じクラスのシルバーと共に教室を出て共に移動をしていたはずだった。
しかし、ほんの少しシルバーから目を逸らしたらシルバーを見失い、自力で行けると確信した結果、今いる3年教室に辿り着いたと後にルシルは語る。
「あら、アンタはハーツラビュルの…」
「ヴィル先輩。あぁ、すみません。間違えてここに辿り着いたみたいで。それではまた！」
そんなルシルを見つけたのはポムフィオーレの寮長:ヴィル・シェーンハイトであった。
前述の通り、ルシルの方向音痴は周知の事実であるが、それをルシルは頑なに認めていない。
他寮生に恥ずかしいところを見せまいと無駄な努力でこの場を乗り切ろうとするがその努力も叶わず、ルシルはヴィルに引き止められる。
「待ちなさい！」
「はいっ！」
気品のある声で呼び止められればルシルも止まる他はなかった。
「アンタ、その様子だと授業間に合わないわよ。次、何の授業なの？」
「……錬金術です。」
渋々と答えると、ヴィルは驚愕した。
「ここと真逆じゃない！どうしたらここに辿り着くのよ！？」
「俺はいつも通りの、道を、歩いて、きた、つもり……だったんです、けど……」
言葉を濁すルシルにヴィルはため息を着く。
どうしたらもう1年も過ごしたこの学園内で迷子になり、幾度となく迷子になり大騒ぎをハーツラビュル寮やルシルのクラスは起こしているのに、なぜ迷子にならないと思っているのかヴィルは逆に知りたいくらいである。
「教室まで送っていくわ。」
「えっ、でもヴィル先輩も授業が…」
「遅れるつもりは無いけれど、次の授業は自習だから少しくらいは構わないわ。」
アンタと違って直ぐに戻れるから、とルシルを睨みつけた後、その手を引っ張って教室まで連れていこうとすると、途中でシルバーと出会った。
「ほら、もう行きなさい。」
「あ、あの、ありがとうございます。今度お詫びします。」
お詫びはいらないと一言言うと、ヴィルはその場を颯爽と去っていった。
「ルシル、どこいってたんだ。探したぞ」
「ごめんシルバー。」
後日、ルシルは奮発して買った美容品をヴィルに送ったと言う。
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がばり - 気長に待っていますね 遅くなって申し訳ありません。合格おめでとうございます！ (2022年3月31日 15時) (
レス) @page41 id: cfe5869198 (このIDを非表示/違反報告)
りく(プロフ) - 合格おめでとうございます。更新頑張ってください！ (2021年2月3日 9時) (レス) id: 4c715eefda (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです！！続きがとても気になります！応援しています！ (2020年6月17日 13時) (レス) id: 16d9298981 (このIDを非表示/違反報告)
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