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「実弥さんに会いたいなぁ…」
口から自然と出た言葉に、我ながら苦笑いをする。
玄弥と別れ、自室に戻って来たものの何もすることがない。
ごろりと畳の上に横になり、ゆっくりと瞼を閉じる。
玄弥と居ると、実弥さんの面影を思い出して凄く楽になれていた。気持ちも落ち着くし、余計なことを考えなくて済む。
畳を指でなぞっても、相変わらず触った感覚はない。
何も感じなくなってきたのは不便だが、特に支障はなかった。大きな溜め息を吐いて、深呼吸をする。
「そろそろご飯食べよう」
ゆっくりと瞼を開けて、自分に言い聞かせる。
体調的にもそろそろ何か口にしないといけないだろう。出来るだけ簡単に済ませられる物がいい。
ここのご飯がとても美味しいと喜んでいた竈門くんには悪いが、今の俺に豪華なご飯は勿体ない。
感覚が戻ってきた頃に、実弥さんと一緒に食べたい。
そんなことを考えながら、食事をとるために羽織に袖を通して、自室を後にする。
一人になると、どうしても卑屈になってしまう。
その癖を直すべきだと理解はしているものの、なかなか上手くはいかない。
「あら？初めましてよね？」
「こんばんは」
襖を開けると、桜色の髪をした女の人が空になったお皿を机の上にたくさん乗せている異様な光景が飛び込んできた。
にこにこと人の良さそうな笑顔で、俺の方を見ている。
実弥さんから教わった容姿と一致しているということは、この人が恋柱の甘露寺蜜璃さんか。
「はじめまして、甘露寺さん。Aです。よろしくお願いします」
「あ、よろしくね！あなたが不死川さんの継子ね、噂通りすっごく綺麗でドキドキしちゃうわ！」
「ありがとうございます」
ころころと表情が変わり、明るい雰囲気の彼女は頬を赤く染めて嬉しそうに笑っていた。
外面の笑顔を貼り付けて、箸を手に取る。
「今日も不死川玄弥くんは来ないのかしら？あ、不死川さんの継子なら弟の玄弥くんのことも知ってるかしら？」
「実弥さんに弟はいませんよ」
先程の笑みを崩さずに、真っ直ぐと甘露寺さんを見る。
彼女は俺の言葉に大きな瞳を見開いて、何度か瞬きを繰り返した。
「え、でも…不死川さんと同じ苗字よ？」
「実弥さんの言葉が真実なんです。実弥さんが�狡錣狼錣覆き瓩噺世┐弌�居ないんですよ」
きっと彼女の頭の中は疑問だらけだ。
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朝ギ(プロフ) - ゆきねこさん» コメントありがとうございます！更新遅くなってしまい大変申し訳ないです…これからも楽しく読んでいただけると嬉しいです！ (7月13日 23時) (
レス) id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ - ふぁっ面白すぎて一気読みしました！更新待ってます！ (2023年4月14日 9時) (レス) @page16 id: 0a7ce356e9 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - ナハハさん» コメントありがとうございます！なかなか錆兎との絡みが少なく試行錯誤していますが、楽しんで読んでいただければ嬉しいです！ (2022年12月7日 21時) (レス) id: 46cbb9d739 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - あいせさん» コメントの有難いお言葉ありがとうございます！更新頑張っていきます！ (2022年12月7日 21時) (レス) id: 46cbb9d739 (このIDを非表示/違反報告)
ナハハ(プロフ) - 私の推し(錆兎)の小説が少なかったのでこんなにも面白いお話に巡り会えてとても嬉しいです！応援してます！ (2022年12月7日 11時) (レス) @page9 id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2022年6月14日 22時
