106 ページ9
.
「元気そうだね、竈門くん」
「A！」
きよちゃん達と柔軟をしていた竈門くんに、外から手を振る。
久しぶりに彼の顔を見ると、安心して自然と笑みを浮かべることが出来た。
「久しぶり！元気？」
「うん。目を覚ましたんだね、良かった」
「Aも無事で良かった」
「まぁ、俺は…ね」
俺の含みのある言い方に彼は小首を傾げる。
任務終わりで汚れた隊服を外で叩いて、中に入ると薬品の匂いが鼻を掠めた。
唯一、嗅覚が生きている事にまだ自分は人間なのだと安堵する。
「任務終わり？」
「そう、竈門くん目が覚めたかなーて気になってここに来た」
「ありがとう、気にかけてくれて……あれ？いつもの羽織は？」
竈門くんの言う�爐い弔發留�織�瓩麓駄錣気鵑箸�揃いの物を指しているのだろう。
俺は実弥さんに拒絶されたあの日から、羽織に袖を通すことが出来なくなってしまった。
背中の�犹Ν瓩箸いκ源�を背負う資格がなくなったのだ。
「うん……ちょっとね」
「大丈夫？顔色悪いけど…」
「大丈夫、心配ないから」
竈門くんの顔を見れた安心感からだろうか、張り詰めていた気持ちがほぐれてきたせいで気分が悪くなってきた。
鏡を見なくても分かる。竈門くんの言う通り、俺は酷い顔色をしているに違いない。
「Aさん…ちょっと休んだ方が…」
「大丈夫だから」
心配そうに俺を見つめる彼女達に、微笑んで頭を撫でる。
やっぱり手の感覚は全く戻っていなかった。残念ながら一時的なものではないのだろう。
厄介だが仕方ない。
「今日、胡蝶さんは不在？」
「はい、出掛けています」
「そっか」
胡蝶さんが不在と聞いて、早々と立ち去るのはやめた。
床に座り込んで、出されたお茶をゆっくりと飲む。
目敏い胡蝶さんに、今の状態を勘づかれたら何を言われるか分からない。
面倒事は御免だ。
「そういえば、さっきの話なんだけど…刀鍛冶の里ってすぐ行けるのかな？」
「刀鍛冶の里？」
「ちょっと鋼鐵塚さんを怒らせちゃって…今刀がないんだよね」
分かりやすく落ち込む竈門くんの側に�犲�う�瓩判颪�れた不気味な手紙が置かれている。
刀鍛冶さんは職人気質の典型な方が大半だろう。中には気難しい人も居ると聞いていたが…竈門くんの言う鋼鐵塚さんは�犁て颪靴た有瓩覆里世蹐Α�
「ねぇ、俺も行きたい」
刀鍛冶の里、これは気になる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 324人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朝ギ(プロフ) - ゆきねこさん» コメントありがとうございます！更新遅くなってしまい大変申し訳ないです…これからも楽しく読んでいただけると嬉しいです！ (7月13日 23時) (
レス) id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ - ふぁっ面白すぎて一気読みしました！更新待ってます！ (2023年4月14日 9時) (レス) @page16 id: 0a7ce356e9 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - ナハハさん» コメントありがとうございます！なかなか錆兎との絡みが少なく試行錯誤していますが、楽しんで読んでいただければ嬉しいです！ (2022年12月7日 21時) (レス) id: 46cbb9d739 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - あいせさん» コメントの有難いお言葉ありがとうございます！更新頑張っていきます！ (2022年12月7日 21時) (レス) id: 46cbb9d739 (このIDを非表示/違反報告)
ナハハ(プロフ) - 私の推し(錆兎)の小説が少なかったのでこんなにも面白いお話に巡り会えてとても嬉しいです！応援してます！ (2022年12月7日 11時) (レス) @page9 id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朝ギ | 作成日時：2022年6月14日 22時
