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「Aに頼みがある…」
神妙な顔付きで、朝早くに玄弥は俺の部屋に来ていた。
寝起きでぼんやりとするせいか、無意識に欠伸が出てしまう。
「あ、ごめんね。さっき起きたばっかで」
「いや、こんな早くに悪い。昨日から考えてたらつい…」
「どうしたの？どんな頼み？」
玄弥の頼みなら、どんなことでも聞き入れるつもりだ。
だが玄弥は申し訳なさそうに顔を伏せたまま黙っている。
急かす事はせずに、彼の言葉を待っていた。
「呼吸を、風の呼吸を見せてほしい」
「へ？呼吸？」
何だ、そんなことか。と呆気にとられた。
神妙な顔付きをしていたわりにはそんな事でいいのかと。
�猊�の呼吸��
おそらく実弥さんと同じ呼吸を見たいのだろう。玄弥は本当に実弥さんが大好きなんだろうな。
「いいよ、俺に出来ることならなんでもする」
「ありがとう！」
正座をしていた玄弥が嬉しそうに笑顔を浮かべる。
実弥さんに似た顔で、そんな笑顔を向かられると思わずドキリと胸が鳴ってしまう。
少し幼い、キラキラとした笑顔は今の俺にはとても悪影響だった。
余計、実弥さんに会いたくなってくる。
何かに没頭すれば気持ちも冷めてくるのかと思ったのが間違いだった。
会えなければ会えない分、もどかしくてたまらない。
そして目の前には実弥さんと同じ血が通う玄弥がいる。
よく似た顔でそんな屈託ない笑顔は、猛毒だ。
「じゃあ受けてくれる？」
「え！？」
隊服に着替えて、彼に手を伸ばす。
おずおずと俺の手を取る玄弥は、少し不安そうな顔をしていた。
「大丈夫だよ、実弥さんと比べ物にならない呼吸だから」
刀を手に取り、にんまりと笑って彼の手を引く。
実弥さんと同じ�猊�の呼吸�瓩世箸靴討癲�俺と実弥さんとでは天と地の差がある。
はたして�狷韻孤�の呼吸�瓩世覆鵑童世辰討發いい發里�と悩むくらいだ。
実弥さんみたいに力強く技をだしたい。
ちらり、と玄弥に視線を移して小さく溜め息を吐く。
玄弥は上背があって羨ましい。俺の手を包むように握る大きな手も羨ましい。
同じ兄弟でも、錆兎兄さんは筋肉質で、体格だってしっかりしていたはずなのに。
体格に恵まれるのは、本当に羨ましい限りだ。
「なんで風の呼吸を見たいの？」
「…兄ちゃんと一緒の呼吸が見たくて」
玄弥のその気持ちは理解出来る。
俺も竈門くんの水の呼吸を見る度に兄さんを思い出す。
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朝ギ(プロフ) - ゆきねこさん» コメントありがとうございます！更新遅くなってしまい大変申し訳ないです…これからも楽しく読んでいただけると嬉しいです！ (7月13日 23時) (
レス) id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきねこ - ふぁっ面白すぎて一気読みしました！更新待ってます！ (2023年4月14日 9時) (レス) @page16 id: 0a7ce356e9 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - ナハハさん» コメントありがとうございます！なかなか錆兎との絡みが少なく試行錯誤していますが、楽しんで読んでいただければ嬉しいです！ (2022年12月7日 21時) (レス) id: 46cbb9d739 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - あいせさん» コメントの有難いお言葉ありがとうございます！更新頑張っていきます！ (2022年12月7日 21時) (レス) id: 46cbb9d739 (このIDを非表示/違反報告)
ナハハ(プロフ) - 私の推し(錆兎)の小説が少なかったのでこんなにも面白いお話に巡り会えてとても嬉しいです！応援してます！ (2022年12月7日 11時) (レス) @page9 id: b3d00b40ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2022年6月14日 22時
