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寮について、共有スペースで別れを告げた。
意外と緑谷くんとの外出を楽しむことが出来て僕は満足だった。
｢ねぇ、焦凍。何をそんなに怒ってるん？｣
｢怒ってねェよ｣
｢嘘つき｣
ギロリといつもの様な威圧的な視線を向けられたが、僕はそんな焦凍に対してにんまりと笑った。
それがさらに気に食わなかったのか、やたら大きな舌打ちをしてそっぽを向かれる。
何に対して意地を張っているのか知らないが、八つ当たりも程々にして欲しい。
まぁ十中八九、僕が原因なんやろうけど。
｢なに？僕が緑谷くんとデートしたから嫉妬してんの？｣
｢………｣
昔から彼の無言は肯定の証だ。
そんな事で意地を張っているだなんて、なんだか可笑しい。
嫉妬している焦凍の焦れったい様子はかなり僕の好みだからそのままにしておこう。
｢君の反応はほんまに僕好みやわ｣
｢相変わらず性悪だな｣
僕はすこぶるずるい人間だと自分でも思う。
焦凍は僕を絶対に嫌いにならないことを分かっていて、我ながら酷いことを繰り返して彼を傷付ける。
それでも彼は僕からは絶対に離れたりしない。
これが依存というものなのか、僕に何の魅力があるのかは分からない。
彼にメリットがあるとも思えない。
誰かから甘ったるい目線を時折感じることはあっても、それを気付かないふりをして生きてきた。
何かに触れることは未だに怖い。
だが本当に焦凍の悲しそうな顔は癖になる。
｢ねぇ、焦凍。君が仮免受かったらご褒美に僕とデートでもしようか｣
｢……は？｣
｢ほな、頑張ってね｣
｢なんだよ…ご褒美って…｣
耳まで赤くしたとても分かりやすい焦凍が顔を伏せる。
サラリと揺れた前髪を見ながら随分昔のことを思い出す。
父親に叱れて泣いていた男の子の頭を撫でたこと。触れた髪はとても柔らかかった。
｢っ、｣
｢ご褒美やろ？だって君、僕のこと大好きやん｣
同じくらいだった目線はすっかり上にいってしまったけど、面影はある。
相変わらず柔らかい焦凍の髪の毛に指を絡めて彼を見上げる。
｢…っ、早く追いつく…！｣
｢楽しみにしとるよ｣
重ねられた手はとても熱かった。
その熱から逃げるように手を引き、後ろで組む。
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朝ギ(プロフ) - じゃがりこさん» とても嬉しいお言葉、ありがとうございます。励みなります！ (2018年3月19日 23時) (
レス) id: 94da739f3c (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - 星鴉さん» ありがとうございます！私の限られた表現力で表せることは少ないですが頑張ります！ (2018年3月19日 23時) (レス) id: 94da739f3c (このIDを非表示/違反報告)
じゃがりこ(プロフ) - ただただ美しい 椿が美しい 一言で言えば大ファンです (2018年3月18日 1時) (レス) id: daac9369bf (このIDを非表示/違反報告)
星鴉(プロフ) - 美しい表現に惚れました！！主人公君大好きです！応援してます！！ (2018年3月10日 1時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - 薔薇さん» ありがとうございます！楽しんでいただいて何よりです！ (2018年3月2日 20時) (レス) id: f0d5aace8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2018年1月21日 21時
