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しまった、と顔をしかめるも既に遅い。
僕のヒーロー嫌いは長年の付き合いがある焦凍だったら知っているだろうがクラスメイト達は知らないだろう。
じゃあ何でヒーロー科に？と聞かれるのがめんどくさいから黙ってたのに、油断した。
｢じゃあ違うのにする？｣
｢いや、ええよ。なんか君すっごい見たそうやし｣
｢え、うそっ…！｣
まるで顔に書いてあるようだ。
恥ずかしそうに俯く緑谷くんにお金を渡してチケットを買ってきてもらう。
あの長蛇の列を見たら並ぶ気なんて失せてしまった。
・・・・・・・・
緑谷出久side.
｢はい、椿くん｣
｢おおきに｣
買った映画のチケットを椿くんに手渡す。
彼の元に来た途端、四方から感じる慣れない視線に違和感を覚えて辺りを見渡す。
視線の正体は僕に注がれている訳ではなく、椿くんに向けられていた。
こんなに大勢の人が居ても、一際目に付くその端麗な容姿は男の僕から見ても見惚れてしまう。
やっぱり目立つなぁ、椿くん…
｢僕、飲み物も買ってくるよ！椿くん何がいい？｣
｢動かせてばかりでごめんね。じゃあ、アイスティー｣
刺さる視線に耐えきれず、椿くんと自分の分の飲み物を買いに行こうとする。
彼の注文に、思っていたよりも女子力高いな…なんて失礼なことが頭をよぎる。
ちらりと椿くんを見ると少し気だるげに壁にもたれかかっていた。
人混み…嫌いだったのになんだか悪かったな。
しかも僕が見たい映画にまで付き合わせてしまったし。
｢少し時間あるけど行く？｣
｢うん！終わる頃にはちょうどお昼だね｣
あー、お昼ご飯どうしよう。
昨日の夜も必死にいろんなお店を調べたりしたがあまり目星はつかなかった。
あまり何かを食べている姿を見たことがないせいか全くイメージが出来ない。
｢人多いなぁ｣
｢人混み嫌いなんだよね…ごめん｣
｢ふふ、そんな謝らんでええよ｣
小さく笑う椿くんは白くて細い指で口元を押さえた。
以前の彼のイメージが強過ぎて、自分の中でどうしても怖さが残る。
未だにあの威圧感と鋭い視線を思い出すだけで身震いを起こす。
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朝ギ(プロフ) - じゃがりこさん» とても嬉しいお言葉、ありがとうございます。励みなります！ (2018年3月19日 23時) (
レス) id: 94da739f3c (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - 星鴉さん» ありがとうございます！私の限られた表現力で表せることは少ないですが頑張ります！ (2018年3月19日 23時) (レス) id: 94da739f3c (このIDを非表示/違反報告)
じゃがりこ(プロフ) - ただただ美しい 椿が美しい 一言で言えば大ファンです (2018年3月18日 1時) (レス) id: daac9369bf (このIDを非表示/違反報告)
星鴉(プロフ) - 美しい表現に惚れました！！主人公君大好きです！応援してます！！ (2018年3月10日 1時) (レス) id: 3edde29704 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - 薔薇さん» ありがとうございます！楽しんでいただいて何よりです！ (2018年3月2日 20時) (レス) id: f0d5aace8d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2018年1月21日 21時
