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失敗した。
まさか勝己とあんなことになるなんて思ってもいなかった。
油断してしまった。
日頃から気を付けていたはずなのに。
もう友達には戻れないし、明日からどうしたらいいのか分からない。
思わせぶりな態度でもした？
勝己に気がある発言でもした？
線引きをして接してきたと思っていたのに、勝己相手で気が緩んだのは自覚している。
これじゃあ中学の頃と一緒だ。
友達っていえる関係性がこんなことであっという間に崩れてしまう。
キスぐらいなんとも思わない。
ただ相手の問題。
僕だって年頃だし気持ちいいことは人並みに好きだ。
割り切ってそういう関係の相手となら問題なかったのに。
勝己は1番失いたくない関係性の友人だからこそ本当にどうしたらいいのか分からない。
｢あれ？椿？｣
荷物丸ごと勝己の部屋に忘れてしまった僕は、部屋に帰れずに共有スペースのソファに寝転んでいた。
ふと覗き込んできた切島くんと目が合う。
｢こんな時間にどうした？｣
｢部屋の鍵なくして戻れんからここで休んでるだけ｣
｢一緒に探そうか？｣
｢……検討はついてるから大丈夫｣
ちらりと視線を動かして時刻を確認する。まだ4時。
こんな時間に起きて切島くんは何をしているのだろう、と気になったが敢えて聞くのを止めた。
｢俺今から走りに行くし、しばらく戻らねェから俺の部屋で休んどく？寒くね？｣
｢いや、大丈夫｣
薄着でソファに座る僕を気にかけての発言。
誰にでも優しい切島くんは、以前酷い態度をとった僕にも優しく接してくれる。
正直、切島くんの厚意に甘えたいがもう誰にも警戒心を解くべきじゃないと勝己の件で学んだ。
｢風邪引くって……ベッド使ってもいいし。椿がいる間は部屋に戻らねェから安心しとけよ、な？｣
半ば無理矢理に鍵を握らされ、切島くんは走って共有スペースを後にする。
寒さに身を震わせながら彼の部屋に向かっていたが、渡された部屋の鍵を見て、やっぱり行くべきではないよなと後悔した。
今から追いかけて鍵を返すのも手間だし、はっきりと断って先生の所に行くから大丈夫って適当に誤魔化せばよかった。
眠気と頭の中がキャパオーバーなせいで思考が追いつかない。
僕がいる間は戻って来ないって言っていたし彼は嘘を付かない。
意を決して切島くんの部屋の鍵を開けてドアノブに手をかける。
視覚的に騒がしい室内は、彼のイメージ通りだった。
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朝ギ(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます！まだまだ長くなりそうなのでお付き合いいただけると幸いです。素敵なコメントが励みになります！ (11月7日 0時) (
レス) id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系(プロフ) - 助かる…助かる…こんなに長編なのに一晩で読んじゃいましたすき…いい感じの距離感が少しずつ縮まったり色んな覚悟が混ざったりで…！ほんと助かりますありがとうございます！！！椿くんもっと甘やかされてデロデロにされてええんやでとニコニコしながら見守ります！ (11月2日 14時) (レス) @page27 id: f65fda0114 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - あさん» ありがとうございます！更新ペースにムラがあり申し訳ありませんが、楽しんで読んでくださると嬉しいいです！ (7月9日 15時) (レス) @page17 id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あ - おもしろくていっきよみしちゃいました❕ 更新頑張ってください❕❕ (2023年4月10日 21時) (レス) @page10 id: e2732a4f31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2023年1月31日 22時
