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「じゃあまたね」
「ありがと、おやすみ」
もうすっかり寒くなった。夜になると特に夜風が肌を刺す。
ホークスは僕を寮の前に送った後もまだ仕事が残っているのだろう。
「ちゃんと付けてくれてるんだね」
僕の頬に手を添えて、髪を耳にかけられる。ピアスに触れるホークスは嬉しそうだった。
「付けとるよ、ホークスから貰った物やから」
「そんな嬉しいこと言ってくれるんだ？」
寮の中では何やら楽しそうな声が聞こえていた。クリスマスの時と同じような状況に、思わず笑みが零れる。
ふと、ここを出る前に緑谷くんと話していたことを思い出した。
そうだ、鍋パーティーがなんとかって。
「はぁー……Aくんともっと一緒に居たいなぁ」
ホークスは僕を抱き締めて、肩に顔を埋める。
このやけに近い距離感もすっかり慣れてしまった。
素直に思った事を口に出せるホークスが少し羨ましい。そんな彼はまるで子供みたいに駄々をこねる。
「まだ仕事残っとるんやろ？頑張って」
「Aくんがそう言ってくれるなら頑張ろうかな」
名残惜しそうに僕から離れたホークスは優しく頭を撫でる。
「じゃあ、またね。おやすみ」
「おやすみ」
去っていくホークスに手を振って、マフラーに顔を埋める。
ホークスが僕に対して愛情評価が高いことは今更だが、最近は特にそう感じる。
よく向けられる薄っぺらい好意とは違って、ホークスのそれは嫌な気が全くしないから僕も気にならない。
薄っぺらい好意も何かに役立つならいいけど、不利益なことばかり。
この顔のおかげで人に好意を持たれるコツは熟知しているが、無闇に使わないのが得策だ。
「ん？」
『今どこだ？』
鬱陶しい携帯のバイブレーションに溜め息を吐いて嫌々電話に出る。
いつもより1トーン低い焦凍の声に、彼が怒っていると気付く。
「寮の前、今帰ってきたとこ」
『何度もかけた』
「忙しくて出れんかっただけ、そんな怒らんといてよ」
『怒ってねェ』
焦凍との会話を続けながら寮の扉を開けて歩を進める。
不機嫌そうな彼の顔付きや態度は直接見ていなくても想像が出来る。
「今迎えに……」
電話と重なって聞こえる焦凍の声。角で偶然鉢合わせたことに彼は驚いていた。
寮の前だと伝えても、わざわざこうして迎えに来るあたり焦凍は本当に大袈裟だ。
心配性の彼は、僕の動作一つで動揺を見せる。
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朝ギ(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます！まだまだ長くなりそうなのでお付き合いいただけると幸いです。素敵なコメントが励みになります！ (11月7日 0時) (
レス) id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系(プロフ) - 助かる…助かる…こんなに長編なのに一晩で読んじゃいましたすき…いい感じの距離感が少しずつ縮まったり色んな覚悟が混ざったりで…！ほんと助かりますありがとうございます！！！椿くんもっと甘やかされてデロデロにされてええんやでとニコニコしながら見守ります！ (11月2日 14時) (レス) @page27 id: f65fda0114 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - あさん» ありがとうございます！更新ペースにムラがあり申し訳ありませんが、楽しんで読んでくださると嬉しいいです！ (7月9日 15時) (レス) @page17 id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あ - おもしろくていっきよみしちゃいました❕ 更新頑張ってください❕❕ (2023年4月10日 21時) (レス) @page10 id: e2732a4f31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2023年1月31日 22時
