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「今叫んだらすぐに隣から勝己来るで」
「……勘弁してくれ」
考えただけでぞっとする様な言葉をAは、意地悪そうに笑って言う。
あの爆豪でさえAを気にかけている。この状況を見られでもしたら何を言われるか分からない。
Aの上からゆっくりと移動して、大人しく床に座り直す。
「なんでみんなホークスのこと気にするん？」
Aは困ったように笑って小さく溜め息を吐く。“みんな”の中に誰が含まれているのかは明確だった。
ホークスが気に入らないのは事実。
ずっと守ってきたAを、突如現れたホークスが当たり前のようにかっさらって行く。
今まで悪い芽は全部排除してきた。
Aの世界が広がり過ぎたせいで、もう俺の手には負えなくなってしまった事が心底悔やまれる。
Aはもう俺だけを頼ることなんて二度とないだろう。
周りには爆豪もいて、B組のみんなもいる。
「焦凍？聞いとる？」
不思議そうに顔を覗き込んでくるAは、俺の反応を見て首を傾げる。
「何考えとるん？ぼーとして」
「Aは、もう俺が居なくてもいいんだろうな」
「は？」
呆気にとられたかのように訳が分からず、ぽかんとしたAは、何度か瞬きを繰り返す。
「それは焦凍やろ、もう僕がおらんくてもやっていけるやん」
Aは、珍しく口許に優しい笑みを浮かべる。
そんな穏やかな表情で、俺にとって恐ろしい言葉を発していた。
その一言で、Aとの距離が一気に離される。
「何で…」
「子供の頃とはちがうやん。今は緑谷くんもいるし、みんなもいる」
こういう時に、ホークスや爆豪に嫉妬をしてしまう。
幼馴染という関係性を悔やむのは、Aが離れようとしたときだ。
嫉妬の色を隠せない俺は、黙ったまま首を横に振った。
「Aが居るから今までもやってこれた」
「もう僕に執着する必要ないで、焦凍のこと考えてくれる人がいっぱいおるんやから」
Aは誰に限らず執着や束縛を好まないのは熟知している。
だがそれに反比例するように、自身のAに対する執着心が危険なまでに高まっていることにも気付いていた。
執着すればするほど、距離をとるAが一線を引こうと敵意剥き出しで吐く言葉の意味も汲み取っている。
長年をかけて異常な執着を覚えたしまったからこそ、Aから離れたくなかった。
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朝ギ(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます！まだまだ長くなりそうなのでお付き合いいただけると幸いです。素敵なコメントが励みになります！ (11月7日 0時) (
レス) id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系(プロフ) - 助かる…助かる…こんなに長編なのに一晩で読んじゃいましたすき…いい感じの距離感が少しずつ縮まったり色んな覚悟が混ざったりで…！ほんと助かりますありがとうございます！！！椿くんもっと甘やかされてデロデロにされてええんやでとニコニコしながら見守ります！ (11月2日 14時) (レス) @page27 id: f65fda0114 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - あさん» ありがとうございます！更新ペースにムラがあり申し訳ありませんが、楽しんで読んでくださると嬉しいいです！ (7月9日 15時) (レス) @page17 id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あ - おもしろくていっきよみしちゃいました❕ 更新頑張ってください❕❕ (2023年4月10日 21時) (レス) @page10 id: e2732a4f31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2023年1月31日 22時
