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「へぇ、じゃあエンデヴァーさんは1人であの家におるん？」
「そうなるな」
「たまには連絡してあげんと、可哀想やで」
僕の言葉に焦凍は少し難しい顔をして、持っていたマグカップを机に置いた。
夏くんが狙われたあの事件から数日が経っていた。
「最近、ホークスとはどうだ？」
「どうって…別に変わらんよ。いつも通り」
「……ピアス、一緒なんだな」
「え？ピアス？」
俯いた焦凍から聞こえた小さな声に、首を傾げる。
よく細かなところまで見ているなー、なんて感心しながら彼の顔を覗き込むと目が合う。
「これ」
ふと伸びた焦凍の手が僕の耳に触れる。
温かいココアがはいったマグカップを持ったいたせいか、熱い指先にびくりと身体が反応した。
「プレゼントやからね」
「…そうか」
耳を這う焦凍の指先が、ゆっくりと僕の首筋を辿る。
どうすればいいのか分からなくて、ただ黙ってされるがままの状態だった。
じっと焦凍を見るも、彼はまじまじとピアスを見ているせいで視線が合わない。
「いつ気付いたん？」
「ホークスに会ったときだ。見覚えあると思った」
「よく見とるね」
「Aのことだからな」
ぱちりと合う視線に、不本意だがどきりと胸が鳴った。
相変わらず綺麗な顔立ちしてるなー、なんて場違いなことを考えながら焦凍の頬に手を伸ばす。
「っ！？」
僕の予想外の行動に驚いた焦凍が、見る見るうちに顔を赤く染めるのを確認してにんまりと笑みを浮かべる。
「綺麗な顔しとるね、焦凍」
無意識に仕掛けたつもりなのか、はたまた打算か。焦凍が何を考えているのか分からないことがある。
だがそんな彼に負けるつもりなんて全くない。
なにせ僕の武器は焦凍の大好きなこの顔。
「何か悪いことでも考えとったん？」
ぴとりと鼻先を擦り合わせて、両手で焦凍の頬を包む。
きょとん、とした焦凍は耳まで真っ赤に染まっていた。
「……近ェ」
「耳まで真っ赤やけど」
「あんまからかうんじゃねェ、俺だってガキのままじゃねェからな」
今度は僕がきょとんとする側になってしまった。
床に押し倒して、片手で易々と僕の両手を押さえた焦凍は珍しく意地悪そうに笑みを浮かべている。
しまった、油断した。
「今叫んだらすぐに隣から勝己来るで」
「……勘弁してくれ」
焦凍はゆっくりと僕の上から移動する。解放された手首がじんわりと熱かった。
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朝ギ(プロフ) - 柑橘系さん» コメントありがとうございます！まだまだ長くなりそうなのでお付き合いいただけると幸いです。素敵なコメントが励みになります！ (11月7日 0時) (
レス) id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘系(プロフ) - 助かる…助かる…こんなに長編なのに一晩で読んじゃいましたすき…いい感じの距離感が少しずつ縮まったり色んな覚悟が混ざったりで…！ほんと助かりますありがとうございます！！！椿くんもっと甘やかされてデロデロにされてええんやでとニコニコしながら見守ります！ (11月2日 14時) (レス) @page27 id: f65fda0114 (このIDを非表示/違反報告)
朝ギ(プロフ) - あさん» ありがとうございます！更新ペースにムラがあり申し訳ありませんが、楽しんで読んでくださると嬉しいいです！ (7月9日 15時) (レス) @page17 id: 6f172a3ee3 (このIDを非表示/違反報告)
あ - おもしろくていっきよみしちゃいました❕ 更新頑張ってください❕❕ (2023年4月10日 21時) (レス) @page10 id: e2732a4f31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朝ギ | 作成日時：2023年1月31日 22時
