【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ41)

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授業終わりの更衣室で繰り広げられた峰田くんの覗き行為にドン引きしつつ、早々に教室に向かう。

久しぶりのヒーロー基礎学は思った以上に疲れた。

今日は早く帰って休もうと考えるだけで自室の布団が恋しくなる。

｢椿｣

それは今１番聞きたくない人物の声だった。

｢なに？｣

｢話がある｣

｢やだなぁ｣

素直に答えると、冗談の通じない彼の鋭い視線が突き刺さる。言われることは分かってる。

良いことか悪いことか分からないが誰も通らない廊下はやけに静かだった。

｢俺と話すのも嫌になったのか｣

｢そんなんやないよ。現に今話しとるんやし｣

｢……………やけに爆豪と仲がいいんだな｣

｢そうやねぇ、爆豪くん面白いからついからかってまうわ｣

先程の彼を思い出して思わず笑ってしまう。

負けず嫌いで自分に素直なところは正直羨ましい。自信に満ち溢れているあの顔を歪められると清々しい気持ちになる。

｢俺は前みてぇに友達に戻りたいだけだ｣

｢君が恐くてそれは無理やわ｣

辛そうな表情をする焦凍の頭を撫でながら、彼を否定する。いつまでも僕はあの頃に囚われている。

いつまでも脳裏に焼き付く彼の姿が、亡霊のように僕を支配する。

それから焦凍は何も言って来なかった。

・・・・・・・・・

｢えー…そろそろ夏休みも近いがもちろん君らが３０日間1ヶ月休める道理はない。夏休み、林間合宿やるぞ｣

｢知ってたよー！！やったー！！｣

相澤先生の話しに〝花火、カレー、風呂〟と各々で盛り上がるクラスだったが、その前に行われる期末テストで合格点を満たさなかった人は学校で補習地獄と宣言される。

以前の成績では２位だった僕は筆記で心配することは何もない。

演習試験はいったい何だろうと考えるも全く検討がつかなかった。

放課後に何処から仕入れたのか緑谷くんが演習試験は〝対ロボット〟だと伝えると対人ではないことに喜ぶ上鳴くん達だったが、ヒーロー殺しの件もあり敵活性化しているのにも関わらずロボットの訓練はあまりに実践的ではない。

そういうの試験になるんかな、なんてぼんやり考えていたが余計な事は言わないでおこう。

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