【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ39)

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｢基本は犯罪の取り締まりだよ。事件発生時には警察から応援要請がくるよ。地区ごとに一括でくるんだよ。逮捕協力や人命救助等の貢献度を申告。そして専門機関の調査を経てお給料が振り込まれるよ。基本歩合制だね｣

今日から始まった職場体験。

見た目の割にやんわりとした喋り方のガンヘッドの話を聞きながら街のパトロールを行う。

何事もなく平和なのはいいことだがホンマに…暇やなぁ、とぼんやり街を眺める。

｢じゃあ次は帰ってから基礎トレをしようか｣

｢はい！｣

ガンヘッドから教わる護身術を言われた通りに行いながら、彼の事務所のサイドキックに相手をしてもらう。

自分のことを褒められるのは素直に嬉しいし、思い思いに動ける機会はそうないからいい機会だ。

｢体育祭で見て思ったけど君の身体能力は高いね｣

｢あまり力無いから移動動作を複合的に実践しているだけやけど｣

｢身軽さ故だね！攻撃速度も速いし…すごいなぁ、まさか君が来てくれるとは思わなかったよ｣

プロヒーローに感心されるとは思いもしなかった。

ふと携帯を見て首を傾げている麗日さんが視界に入る。

後ろから彼女の携帯を覗き込むと、どうやら緑谷くんからだった。記載されたアドレスを読み込むとそこには〝江向通り4-2-10の細道〟と記されていた。

｢江向通り……保須？｣

｢わ！？つ、椿くん！？びっくりした！｣

｢なんなんそれ。アドレスだけ？｣

｢うん………何かあったんかな？｣

不安げに携帯を眺める彼女。

どうやら一斉送信されたようで、詳しいことは何１つ書いていない。

緑谷くんの性格を考えると珍しい……緊急性が感じられるものの、はっきり言って僕には関係ない。

｢さぁね、にしても保須かぁ…ヒーロー殺しにでも会ってたら面白いけど｣

｢面白いって…｣

〝ヒーロー殺し〟という言葉に一気に不安を増した麗日さんが強く携帯を握りしめる。

僕の携帯に何度も焦凍から着信がかかっているものの、僕が彼からの着信に答えることはなかった。

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