【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ27)

今日:11 hit、昨日:24 hit、合計:1,372,551 hit

２６ページ27

.

爆豪くんのように常にトップを狙う者とそうではない者の差は大きい。

彼らはその執念の差を甘く見すぎた。

爆豪くんが狙い通り、ハチマキを奪い取る。

｢次！デクと轟んとこだ！！｣

残り時間は僅か20秒。

僕らは緑谷くんの元へと急ぐも刻々と時間は迫る。

2人の姿を確認出来たのは終了の合図6秒前だった。

裏返しになっているハチマキのポイント数は分からずに爆豪くんは緑谷くんと焦凍を交互に見る。

〝TIME UP〟そのマイク先生の声と同時に地面へと倒れる爆豪くんを見て思わず笑みが零れたのは彼には内緒にしておこう。

この種目の後は１時間の昼休憩のようで各自、自由に移動を始める。

〝話しがある〟と緑谷くんを連れて皆とは正反対の場所に向かう２人を横目で見ながら小さく溜め息をついた。

・・・・・・・・

緑谷出久 side.

｢話しって…何…？｣

一向に何も言ってこない轟くんに話しかけるも、かっちゃんとはまた違う冷たい威圧感におもわず息を飲む。

｢気圧された。自分の誓約を破っちまう程によ｣

使えば有利な場面でも使わなかった…左側のこと…。

彼から出た〝オールマイト〟の名前にドキリと心臓の鼓動が早くなる。

いったい何を言われるのか、とかもしかして個性のことを勘づいたのかとか心配になる。

｢なァ……オールマイトの隠し子か何かか？｣

な…なるほど…そうなるのか！

思いもしなかった予想外の言葉に思わず呆気に取られたがすぐさま必死に否定をする。

｢そもそもその…逆に聞くけど…なんで僕なんかに…そんな……｣

｢〝そんなんじゃなくて〟って言い方は少なくとも言えない繋がりがあるってことだな。俺の親父はエンデヴァー知ってるだろ？｣

彼から聞いたエンデヴァーや母親の話しは余りにも違う世界の話で正直ビビった。

目指す場所は一緒なのにこうも違うのかって。〝完全否定する〟そういった彼の瞳は闘志で燃えていた。

コミックだったら主人公だ。それほどの背景。

それに対し僕が言えることなんて…

.