【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ20)

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ザワザワと何やら騒がしい1-Aの教室の前。

職員室に寄っていたばかりにこんなことになっているとは、これでは教室に入れない。

知らない生徒ばかりだが、一体何が起きているのだろう。

｢敵情視察だろザコ。敵の襲撃を耐え抜いた連中だもんな。体育祭前に見ときてぇんだろ。意味ねェからどけモブ共。｣

｢知らない人のこととりあえずモブっていうのやめなよ！｣

教室の中から爆豪くんと飯田くんの声が聞こえる。

わざわざ好き好んでこの群れに突っ込もうとは思えない。時間が過ぎればこの騒動も収まるだろうと遠巻きに見る事にした。

｢どんなもんかと見に来たが随分偉そうだなぁ、ヒーロー科に在籍するやつは皆こんななのかい？｣

｢ああ！？｣

｢こういうの見ちゃうとちょっと幻滅するなぁ、普通科とか他の科ってヒーロー科落ちたから入ったてやつけっこういるんだ、知ってた？体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科編入も検討してくれるんだって。その逆もまた然りらしいよ……敵情視察？少なくとも普通科は調子のってっと足元ごっそり掬っちゃうぞっつー宣戦布告しに来たつもり｣

なにやら反感を買ってしまった爆豪くんが、普通科の生徒に詰め寄られている。

大胆不敵な人が多いなぁ、どのクラスでも…なんて彼らから感じる自信に鼻で笑ってしまう。

｢まぁ、あの試験内容だとしても１回ヒーロー科に落ちたんやったらヒーローになるなんて無謀な夢はさっさと諦めて無駄な３年間を過ごしたらええやんか、ね？｣

｢つ、椿くん…｣

にんまりと笑う僕に対して青い顔をする緑谷くん達。

じ、と爆豪くんと僕を交互になんとも言えない視線を向ける彼ら。

だって往生際が悪いと思わないのだろうか。

そんな視線をもろともせずに爆豪くんは集団をかき分けて廊下に出ようとする。

｢待てコラどうしてくれんだ、おめーのせいでヘイト集まりまくっちまってんじゃねぇか！｣

｢関係ねぇよ…｣

｢はあー！？｣

｢上に上がりゃ関係ねぇ｣

確かに理想を語るよりも結果を残すことが全て。

分かりやすく力強い爆豪くんの言葉に納得しつつ、体育祭どうしようかと考える。

参加種目の決定、それに伴う個々人の準備。

わずか２週間はあっという間に過ぎていく。

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