【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ9)

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｢バスの席順でスムーズにいくよう番号順に二列で並ぼう｣

｢飯田くんフルスロットル…！｣

委員長の言う通りに二列で並ぶも、バスの席順は彼の予想通りにはいかず向かって座るタイプのものだ。

分かりやすく項垂れる彼を見て、くすくすと笑うと隣に座る焦凍から冷たい視線を感じた。

｢あなたの個性、オールマイトに似てる｣

隣に座る少女からの言葉に動揺を見せる緑谷くんを見ながら、あの時の爆豪くんと彼の話しを思い出す。

ああ、〝オールマイト〟に似てるね。

各個性の話しを皆がしている中、急に聞こえた自分の名前に、俯いていた顔を上げるとなにやら注目されているのに気付く。

｢……なに？｣

｢そう言えば椿の個性って見たことねぇよなー｣

｢僕の個性？｣

｢どうせお前もその見た目だし派手な才能マンだろ、やだやだ｣

見た目から判断されるのは予想外だな、と僕はにんまりと笑う。

〝見せびらかすのは好きやないから〟とわざとらしく微笑んで穏便に話題から脱線する。

｢嘘つけ｣

｢なんで？疑うん？｣

焦凍の肩にこてんと頭を預けて上目に見上げる。心底嫌そうな顔をした彼に安心する。

順調に僕を嫌う焦凍は、しっかりと嫌悪感を募らせていた。

・・・・・・・

｢すっげー！！USJかよ！！？｣

｢水難事故、土砂災害、家事……etc.
あらゆる事故や災害を想定し僕が作った演習場です。その名も………ウソの災害や事故ルーム！｣

広々とした施設に興奮する皆。

そこで姿を見せた先生は見覚えがあるものの、名前が分からなかったが、緑谷くん曰く〝スペースヒーロー13号〟

｢えー始める前にお小言を一つ…二つ三つ…四つ｣

段々と回数が増えていく13号に思わず笑ってしまう。

〝簡単に人を殺せる個性〟その言葉は僕のことかと、首を傾げてみせる。

先生の話を真剣に聞くクラスメイトを他所に、突如感じた不気味な雰囲気に後ろを振り返る。

それにプロヒーローである相澤先生が誰よりも早く気付いたようだった。

｢一かたまりになって動くな｣

｢え？｣

黒い渦のような物から不気味な男が姿を現す。

一目見ただけで分かる。敵(ヴィラン)だ。

相澤先生から緊張感が伝わり、重い空気感が漂う。

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