【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ48)

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｢殺された奴はもちろん被害者だが１番の被害者はお前だ。不明な点も多かったがあの事件は解決している……そんなに抱え込むことはない｣

｢腑に落ちんくて。本当に…犯人の死亡、確認出来たんよね？｣

｢死んだ。確認は出来ていたが遺体は消えたらしいな｣

ぞわり、と背筋が震えた。

確かにあの時、僕は間違いなく奴の臓器を全て落とした。

心臓もない身体が動き出すとは思えない。

だけど、このことを相澤先生に聞きたかったのは理由がある。

昨日まさしくあの時の出来事が、再び始まった。

全く同じ手口に足が竦んだ。呼吸も出来なかった。

また焦凍を巻き込んでしまったら…。

僕の様子がおかしいことに気付いた相澤先生が声をかけてくるも、何も言えなかった。

質の悪い悪戯だと思いたかったが、あの黒椿のことは誰にも言っていない。

誰も知るはずないあの行為が指すこととは何なのか気付きたくなかった。

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緑谷出久 side.

１週間の林間合宿を前に、僕らはA組のみんなで木椰区のショッピングモールに来ていた。

〝みんな〟と言ってもかっちゃんや轟くん…椿くんの姿はない。

未だに体育祭のことを覚えている人から声をかけられたことに麗日さんが驚いているのを見て思わず笑ってしまう。

みんなの目的がバラバラなこともあり、時間を決めて自由行動を行うことによりあっという間にバラける。

｢皆、行動早いな｣

残ったのは僕と麗日さんの２人。

せっかくだから一緒に回れないかと目的を尋ねてみるも〝虫よけー！〟と叫びながら走り去られてしまった。

せっかく皆で来たのに僕１人になってしまったことに落胆しながらどうしようかと考える。

｢おー雄英の人だスゲー！サインくれよ｣

｢へ！？｣

｢確か体育祭でボロボロんなってた奴だよな！？｣

後ろから聞こえた声に振り返ると馴れ馴れしく後ろからガシリと肩を組まれる。

すごいな雄英…やっぱりたくさんの人に見られて覚えられてるんだ…

｢んで確か保須事件のときにヒーロー殺しと遭遇したんだっけ？すげぇよな！｣

｢よくご存知で…｣

｢いや本当信じらんないぜ。こんなとこで〝また会うとは〟！｣

これまではただ漠然と不気味な存在だった。

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