【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ25)

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｢テメェと組むやつは物好きな奴だな｣

｢さっきのこと怒ってるん？｣

彼にとってタブーである〝父親〟の話しをした事に対して怒っているのか。

早々にチームを決めた焦凍が僕に詰め寄る。

｢本当のことやん？左側を完全否定して１位になったとしても、君があのエンデヴァーの子供であることは変わらないんやから｣

｢いい加減にしろ…｣

｢なに？やるならここで相手するで｣

｢っ！？｣

僕の胸倉を掴む焦凍の手に触れると、だらりと力なく降りる焦凍の右腕。

感情的になりすぎている彼を見てにんまり笑って顔を近付ける。

｢このまま右の神経と個性を落としたままやってみる？お父さん見てるんやろ？｣

｢……やめろっ、｣

そうやって僕のことを嫌えばいい。そして僕に二度と近付かなければいい。

そうすれば僕は焦凍を殺すことは絶対にないんだから。

彼を見れば見るほど、あの時の力無く倒れていく焦凍の姿をした犯人が脳裏に浮かぶ。

あの時の未熟な僕は力の制御も上手くいかずに、無残にも焦凍を殺してしまったのだと項垂れた。

感じたことのない威圧感で僕を睨みつける焦凍だったがミッドナイトの静止の声に僕らはお互いに背を向ける。

異様な光景を見たかのように遠巻きに感じる視線。

さり気なく彼の神経と個性を元に戻しておいたが、僕らの溝は再び大きくなった。

｢おい、椿。手を貸せ｣

俯いていた視線を上げるとそこには不敵に笑う爆豪くんが居た。

彼に言われた通りに不思議に思いながらも右手を差し出すと、思いっきり顔を歪められた。

｢違ぇよ！バカかお前！騎馬戦のことだろーが｣

｢え？僕と？｣

意外な人物からの誘いに呆気に取られるも、爆豪くんの個性は汎用性も高く何より３位通過している分ポイントも高い。

｢そいつを信用すると痛い目見るぞ｣

｢あ？｣

通り過ぎ間に焦凍から言われた言葉を気にもとめず〝喧嘩したのか？〟なんて呑気に聞いてくる。

同じペアは切島くんと初めてまともに話す瀬呂くんだった。

｢轟と仲…良くはなさそうだったけど、知り合いだったのか？｣

｢ああ、幼稚園の頃からの幼馴染やからね。爆豪くんと緑谷くんみたいなもんやねぇ…僕らも仲良しって感じとちゃうし｣

｢へぇ…幼馴染かぁ｣

瀬呂くんと会話をしながら僕らは騎馬を作って戦闘態勢へと入る。

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