【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ3)

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｢あった…ドアでか…｣

｢何してんの？｣

｢わっ！？あ……すみま、せん…｣

恐る恐るドアを開けている地味めの小さな子の背後から声をかける。

すごく大きなドアを見上げて、ドアの隙間から教室の中を覗くとなにやら言い争っている声が聞こえてきた。

｢入らんの？｣

｢あ、でも…｣

｢お先に｣

ひらひらと彼に手を振って教室の中に入ると、僕と彼に気付いた眼鏡の優等生雰囲気の男の子が近付いてくる。

｢俺は私立聡明中学の……｣

｢聞いてたよ！あ…っと僕、緑谷。よろしく飯田くん……あの、君は？｣

彼、緑谷くんは眼鏡の飯田くんから僕に視線を移す。

少し怯えた様な僕好みの表情を浮かべながら。

｢椿 A、よろしくね｣

にこりと人の良さそうな笑顔を浮かべて席に着く。

嬉しいことに両隣は可愛らしい女の子と焦凍だ。

でも焦凍はあからさまに嫌な顔をして僕を見ている。

なんだかすっごく嫌われてるなぁ、と思ったがそう仕向けているのは誰でもないこの僕だ。

少し時間が経ってから担任の相澤消太先生から〝体操服を着てグラウンドに出ろ〟と指示をされた僕らは素直に応じてグラウンドへと向かう。

どうやらヒーロー科にら入学式もガイダンスも無いようだ。

・・・・・

｢個性把握…テストォ！？｣

｢入学式は！？ガイダンスは！？｣

｢ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ｣

内容な中学の頃とは変わらないが、僕らが行っていたのは〝個性禁止の体力テスト〟

今回は個性把握テストと言うだけあってルールを守れば何をやってもいいらしい。

先生から呼ばれた金髪の男子生徒が、なんともヒーローらしからぬ言葉を叫びながら爆風にのせてソフトボールを勢い良く投げた。

｢まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段｣

そう言って先生は〝705.2〟という普通では考えられない数値を見せた。

全部で8種目、トータル成績で最下位の者は除籍処分という先生からの通告にクラスメイトから感じ取れる雰囲気は様々なものだ。

入学初日の大試練。

でもこんなことで易々と自分の個性を披露するつもりもない僕はなにやら殺気立っている焦凍を後ろからじっと眺めていた。

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