【男主】落ちる様くらい綺麗に【僕のヒーローアカデミア】 (ページ11)

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｢皆は！？いるか！？確認出来るか！？｣

｢散り散りにはなっているがこの施設内にいる｣

どうやらここに居るメンバー以外はどこかに飛ばされたようで、先程の敵は珍しいワープ系の個性なんだろう。

移動速度の早い飯田くんに学校まで駆けてもらいこの事を伝えてもらうべく、協力体制のクラスメイトの士気が上がっていた。

どうやらこの敵達は、一筋縄ではいかないようだ。

敵の個性によって自らをチリにしてしまった13号がガクリと膝から崩れ落ちるのも目の当たりにして、息を飲む。

｢飯田ァ走れって！！｣

すかさず走り出す飯田くんを止めようと素早く動く敵だったが、クラスメイトのチームプレーによりなんとか扉を開けて外へと出ることが出来た。

｢へぇ、すごいなぁ｣

僕は遠くから眺めるだけだったがこんなにも彼の為に動くクラスメイトを関心した。

そんなに協力的に動けるなんて、僕には絶対無理なことだ。

｢椿、先生運ぶの手伝って！｣

｢いや｣

｢…は？｣

ピンク色の髪をした彼女が僕に指示を出すのが気に食わなかったのもあるし、なんで僕が手伝わないといけないのか疑問だった。

彼女にとって予想外の言葉だったのか、不思議そうに僕を見つめる彼女に向かってにんまりと笑う。

｢なんで僕が手伝うん？｣

｢椿くん…先生、すごい怪我なんだよ？｣

｢だから？｣

｢…信じられない｣

彼女達の鋭い視線を無視しながら、ホールを見ると相澤先生が気味の悪い何かに組み敷かれていた。

潰れた右腕を見るかぎり、あれではもう戦えそうにない。

先生が見ているにも関わらず消えていないってことは個性ではない素の力なのか、異形型の個性か。

プロヒーローが全滅？

ここで死ぬつもりのない僕は大きな溜め息をついた。僕にはこの先やるべき事があるのに。

それにあんな馬鹿力の異形型は苦手なタイプだ。

｢椿くん！どこいくん！？｣

麗日さんの言葉を無視してホールへと走る。

自分の身は自分で守らないといけない。それは3年前に身をもって知った。彼にも教えてもらった。

助けを呼んだ飯田くんがどのくらい時間がかかるか分からず、13号先生と相澤先生が戦闘不能となれば次の犠牲者は誰なのか。

敵の感情を理解なんてしたくないし、しようとも思わない。

自分がやられない為に、かなわないかも知れない敵と戦わないといけないのは凄く嫌だ。

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