本命の名前 ページ35
「よっ……って……」
私のアパートの前で待つ、スンチョル。
「あんた誰」
とジョンハンを見てスンチョルは言う。
私の前に立つジョンハン。
「Aの彼氏ですけど。もしかして、スンチョルさん？あーAから聞いてます、仲の良い友達みたいですね」
スンチョルと目を合わせられない。
「彼氏？」
とスンチョルは疑って言う。
「そう、彼氏。ねえ、A」
私は、軽く頷いた。
「へえ。名前は？」
「ユン・ジョンハン。どうぞよろしく。悪いけど、帰ってくれません？今日は、俺が泊まる予定なんです」
「悪いけど、ユン・ジョンハンなんて男、Aの口から聞いたことない。まあ、Aの弁当箱踏み潰すような男がいたけど、最低すぎて覚えてもいないけど」
スンチョルがジョンハンを睨む。
「やだな。最初は喧嘩が多かったんですけど、それから仲良くなったんですよ」
「なら、Aが好きな食べ物知ってるよな？」
そんなの、ジョンハンが知ってるわけ…
「知ってますよ。ハンバーグでしょ」
なんで、知ってるの……
「あ、材料買ってきてくれたんですか？ありがとうございます、俺が代わりに作って、食べさせてあげるんで。今日は帰ってもらえますか、スンチョルさん」
ジョンハンはスンチョルからスーパー袋を奪った。
そして、震えた手で鍵を開けて中に入ろうとする私の手をスンチョルは優しく握ってくれた。
「こんなに震えて、おびえた顔で、そうさせていたのはお前か？」
震えた声を出すのはスンチョルだった。
その瞳はすごく怒っていて
「やだなあ、学校で嫌なことがあったみたいで、心配で俺もついてきたんです。大丈夫ですよ、ちゃんと俺が話し聞くんで」
「言っとくけど、Aは好きでもない男と付き合ったりする女じゃない」
スンチョルは、信じてくれた…
「A、俺のこと好きだよね？」
それに頷けなかったのはきっと、スンチョルには嘘が既にバレてると思ったから。
「思いあがんなよ。Aは、中学校の時からずっと好きな奴がいんだよ」
「スンチョル……待って……」
「名前は、ホン・ジス。お前じゃない」
ジョンハンが目を見開いた。
「随分、Aのこと詳しいんですね。
妬けちゃうな。
俺よりAと愛し合ってるんですか？
たかが、親友の分際で」
そうジョンハンは言い残して、私を部屋の中へ押し込んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 731人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SEVENTEEN」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ふるーつよーぐると(プロフ) - 更新していただきありがとうございます！！無理なさらない程度でこれからもよろしくお願いします！ (2021年6月17日 0時) (
レス) id: fff8310618 (このIDを非表示/違反報告)
ふるーつよーぐると(プロフ) - 続きお待ちしています。 (2021年5月23日 21時) (レス) id: fff8310618 (このIDを非表示/違反報告)
f - senaさんのお話が本当に大好きなのですが、未完結のものが多くて悲しいです…お忙しいのかとは思いますが更新せていただけると嬉しいです…！応援してます！ (2021年4月24日 20時) (レス) id: 03d24a62c7 (このIDを非表示/違反報告)
はるきち(プロフ) - 完結させる気がないんだったらお話書かないでください (2020年11月28日 21時) (レス) id: d1652f67c1 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - 長くてすいません。厳選していうと、きゅんきゅんだけじゃなく、ハラハラもあるsenaさんの作品愛してます！！！ (2020年8月3日 20時) (レス) id: 2b6a0ab99a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sena | 作成日時：2020年6月23日 21時
