【文スト】肆・ネットでマフィアの首領と友達になってた件

かつて一蓮托生だったものたちへ ページ27

○Seen-Those who take pain○

俺達の世界は俺達だけで完結していた。

普通とは違う見た目の人間は、人間としては見られず、化物や、前世の業だと言われて嫌われていた。

それは、俺達の生まれた村も例外なくその傾向にあった。

俺達を産んだ母は忌み児を産んだことを悔い、自分で首を掻っ切ったという。

それから俺達は、村に立てられた牢屋で生活を強いられた。

人間扱いはされず、化物として来る日も来る日も石を、罵りを投げられた。

それでも、一人ではなかったから。

俺は我慢できた。身体は一つ、それでも俺達は二人だった。故に、俺達は二人で一つだった。

俺は兄でもあり、弟でもあったんだ。お前も同じだった。

村で唯一仲良くしてくれた少女が、村の為に犠牲になった時も、

飢饉に困った村人達に金のために見世物小屋へ売られたときも、

買われた先で俺達と同じような普通の姿をしていない奴らと閉じ込められたときも、

お前がいてくれたから。

俺は、それだけで生きていようと思ったんだ。

お前と同じだよ。

お前は、素直じゃないから、中々言ってくれないけど。

ああ、そうだ。お前は、俺達のこういうことを、あの娘(こ)は、一蓮托生って言って羨ましがってたのを覚えてるか？

双子っていうのは、元は一人の人間が分かたれた姿だったんだって、

だから、双子は魂の結びつきが強いんだって、

俺達は身体はひとつだからそのままの通りだな

一蓮托生の意味、俺はなんとなくしかわからなかった。

でもな。

これだけは言えるよ。

どちらかが先に死んだとしても。

俺達は繋がっている。

次の人生で、たとえ身体がそれぞれにあったとしても、他人でも、なんだったとしても、俺とお前は────。

聞きたくない？聞けよ。お兄ちゃんの話だぞ。

まぁ、その、なんだ。

だから、泣かないでくれ。

泣いてない？嘘つけ。お前自分の顔見てみろよ。酷いぞ？

ほんっと、こんな時まで素直じゃないんだな。

でも、まぁ、それでこそ、俺の大切な片割れだよ



「また。会えるから」







「お前が死んでどうするのだ、愚兄」

異形は、空虚な部屋で哭く。先に黄泉へと旅立った片方を想って。

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