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「貴様に話すつもりはないわ」

全部供述拒否である。碧海はここは曉のダイスが欲しかったと彼女を一瞥する。言っても仕方がないが、諦めるとしよう。聞いていてはなんだが、ここは別に知らなくてもいいと、碧海は割り切った。太宰はやや不満そうではあったが、こちらも諦めたようだった。

質問はやめになる。

「これで終わりか?」

心底つまらいといった素振りを見せるリョウメンスクナに碧海は嘘つけと心中で呟いた。

──終わらないことを、理解しているくせに。

リョウメンスクナの体が吹っ飛ぶ。敦の異能による攻撃が彼にもろに入った。いや、彼は最後、敦の一撃を避けなかった(・・・・・・)。虎の腕は、彼を容赦なくふき飛ばし、壁へと激突させた。壁が割れ、瓦礫が落ちてくる。そして、理解した。漸くリョウメンスクナを沈黙させることができたのだと。

───どうしてだ?

今になっての、無抵抗。疑問しかない。

碧海は立ち上がり、その方向へと走っていく。彼女は特務課として動いている。目的の達成が重要だった。しかし。

「燃えろ」

突如として、この場の誰のものでもない、少し低い声が響いた。そして、それ同時に彼女がその場へと辿り着くよりも早く、彼女の顔面すれすれを熱が通り、瓦礫の山へと乱暴に不時着し、燃え上がり始めた。

瓦礫ごと火は燃え続ける。恐らく中にいるリョウメンスクナはこんがりと焼けてしまっているだろう。先程の矢と同じだと息を呑み、彼らはその方向を一斉に振り返った。

炎の矢が飛んできた方向を見ると、琥珀と紅が浮かび上がっていた。眼以外の顔は闇に隠れてしまって見えないが、確かに二人の影を見た。こちら側に近く立つ人物は、燃えるそれを一瞥したが、こちらには興味がないように見え、目もくれずに奥へと消える。やがて、追いつくようにもう一つ足音が聞こえ、去っていった。

──リョウメンスクナは、灰となって消えた。

_
○作者のボヤき○
ここのシーンが一番やりたかったところかもしれない。火を神聖視する文化は各地であるので焼却案を採用しました。木乃伊だからね。

ちなみに、まだ夢主はすやすや眠っています。気絶ロールまでちゃんとすればよかったなと、今更ながら思ってます。

残りはエピローグ数話のみです。

Ending→←折軸編-第九話-



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黒井蜜柑(プロフ) - イレイザーさん» 了解です。いえ、こちらこそありがとうございます!なるべく!なるべく早く更新いたします! (2021年4月7日 17時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
イレイザー - 黒井蜜柑さん» そんな感じです!わざわざ返信まで…優しすぎて泣きそ((泣きます! ありがとうございます! (2021年4月7日 17時) (レス) id: 835185f078 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - イレイザーさん» ありがとうございます!リクは募集してるので構いません!夢主の幼少期の写真をキャラ達とかが見る?みたいな感じ?ってことでしょうか……(想像がついてない) (2021年4月7日 15時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
イレイザー - めちゃくちゃ面白いです!頑張ってください!後夢主の幼い頃の写真を載せるっていうやつをやってほしいです。(リクエスト募集していたら、ですが) 応援してます! (2021年4月7日 15時) (レス) id: 835185f078 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» そうなんですよね。賢治くん、本当最強で助かります…… (2021年3月2日 14時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.  
作成日時:2021年3月2日 12時

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