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私の跳躍のために伸ばされた足は、こちらへ猛ダッシュしてきていた男の顔面へとめり込み、彼ともみくちゃになりながら、彼ごと地面に挨拶する羽目となった。
突如乱入し、あろうことか、失敗してしまったことにより、訳もわからずノックアウトされてしまった彼は、可哀想なことに私の下敷きとなってしまっている。何処かで見覚えのあるラッキースケベ展開には全くなっていない。
「ゴメンナサイ!悪気はない!でも、会社への近道なので許せ!」
気絶している彼にむけて手を合わせる。追いついてきた少年は、え、ええ……と呆然としながら、私の足下にいる男と、私を交互に眺めている。確かに信じられないだろう。私も驚きしかない。スマホを取り出してみると、かなりやばい時間だった。ひとまず色々とあるが、とりあえず。
丸投げしよう。
そう決め込んで、少年を脇を走り去ろうとする。しかし、彼のDEXは私のDEXを越したらしい。腕を掴まれて、引き止められてしまった。
「ありがとうございます!!助かりました!!」
真っ白い少年は、これはもうきれいなまでに腰を折った。今時社会人にここまできれいなお辞儀をする人間はいない。私には無理だ。うん、でもまあ、よかったね!話は全く見えないけど。
「いや、よくわからないけど、なんかよかったね、うん!!遅刻しそうだから行っていい!?いやもう遅刻してるかもしれない!」
進行方向を指差すと、私は早口で捲し立てる。とても怪しい人物かもしれないが、許してほしい。なんなら【説得】振ってもいいが!!
「え、それはすいません!あの、あとで礼をしたいので、連絡教えてもらっても!!」
謝るが、礼をといって話してくれはしない。頼む、私は上司に怒られたくない。理由が理由だけに。
「全然礼はしなくていい!!早く行かせてくれることを礼にさせて!!」
叫ぶように懇願すると、少年はようやく離してくれた。最後まで礼を言っていたが、私にはそれどころではない。本気でやばいんだって。
その後、見事に十分間に合わず、遅刻となった。畜生。
螻蟻邂逅編-第二話-→←かつて一蓮托生だったものたちへ-螻蟻邂逅編-第一話-
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黒井蜜柑(プロフ) - 藤猫さん» おっとwwww筋肉痛になるくらいは嬉しい発言ですね(?)!必ず更新いたしますので、もうしばらくお持ちください! (2022年8月27日 17時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
藤猫 - とても面白い物語ですね!!!!!!!!!ずっと笑ってて次の日腹筋の筋肉痛になりましたww本編もリクも楽しみにして待ってます!!!!!頑張ってください!!!!!!! (2022年8月26日 19時) (レス) @page37 id: 8264cf3ee7 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» いえ、こちらこそリクありがとう御座います。まだまだリクを解決できていないところもありますし、順次していけたらと思っています。リク来たら滅茶苦茶嬉しいので全然大丈夫です。どうクリアするかは二の次です。( ′-′ )こちらこそ、本当にありがとう御座いました。 (2021年2月18日 22時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 書き忘れてたのですが((でっぷる編本当にありがとうございました!!お疲れ様です!!面白かったです!!!ありがとうございました!わざわざリク受け付けてくださって…。感謝しかないです!!書き忘れて本当に申し訳無いです…。これからも本編も楽しんで読みます! (2021年2月18日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとう御座います。中編(笑)事態、書き上げてしまっているので、毎日更新していけたらと思っています。Twitter風会話文次第ですがw、 (2021年2月18日 21時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時:2021年2月18日 21時