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折軸編-第一話- ページ45

○Seen-Actual working unit○

薄暗い部屋だった。天井は高く、どうやって入るつもりのか高い位置につけられた窓を塞ぐ位置につけられた小さな踊り場のような空間と柵。この部屋の3分の1を形成する半円に描くような壁に沿って作られており、それもカーテンで覆われている。光源はそこからかかる数個の蝋燭のみだ。つまり、その奥から向こうはぼんやりとしか分からない。3分の2は、縦長い作りとなっており、その際奥に祭壇のようなものが作られていた。それは、仏像を祀っているのと同様の扱いだった。明らかにそこに「ある」のは理解できた。

曉達と碧海達が入ったドアは同じであり、碧海達の方が早く入った。その後から、曉達が着いたという具合になっていた。

「いかにも、じゃん」

碧海は固唾をのむ。彼女は「見える側」の人間だった。故に、理解できた。そこに「ある」モノに群がる、自分たちが今まで見てきた「幽霊」とは一線を画した「それ」も。

ピクリと敦が耳を立てる。そして、誰か来ますと告げる。その一言に、全員の警戒心は更に高くなる。

「穢らわしい魂でこの地に踏み入れるか、忌々しい」

闇の奥から声が聞こえてきた。足音を隠しもせず、ただ政府の狗と称して、こちらを罵る。男は、山伏のような格好をしていた。顔に刻まれた皺は険しく、服の裾から見える手と腕は皮と骨だけのようにも思えた。

「お前が──物部天獄(もののべてんごく)か」

太宰が男を鋭い視線で捉える。男は隠す気は甚だ無いようで、如何にもと肯定を示した。

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黒井蜜柑(プロフ) - 藤猫さん» おっとwwww筋肉痛になるくらいは嬉しい発言ですね(?)!必ず更新いたしますので、もうしばらくお持ちください! (2022年8月27日 17時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
藤猫 - とても面白い物語ですね!!!!!!!!!ずっと笑ってて次の日腹筋の筋肉痛になりましたww本編もリクも楽しみにして待ってます!!!!!頑張ってください!!!!!!! (2022年8月26日 19時) (レス) @page37 id: 8264cf3ee7 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» いえ、こちらこそリクありがとう御座います。まだまだリクを解決できていないところもありますし、順次していけたらと思っています。リク来たら滅茶苦茶嬉しいので全然大丈夫です。どうクリアするかは二の次です。( ′-′ )こちらこそ、本当にありがとう御座いました。 (2021年2月18日 22時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 書き忘れてたのですが((でっぷる編本当にありがとうございました!!お疲れ様です!!面白かったです!!!ありがとうございました!わざわざリク受け付けてくださって…。感謝しかないです!!書き忘れて本当に申し訳無いです…。これからも本編も楽しんで読みます! (2021年2月18日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとう御座います。中編(笑)事態、書き上げてしまっているので、毎日更新していけたらと思っています。Twitter風会話文次第ですがw、 (2021年2月18日 21時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.  
作成日時:2021年2月18日 21時

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