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「都市伝説でリョウメンスクナってあるでしょう?彼だよ、其の話し手は」
すごいよねぇと声は笑っていたが、諏訪の表情はすとんと落ちていた。鏡花が訝しげに見つめたが、それに気づいたらしく、すぐに愉快げに笑っている表情へと戻った。
他の幹部たちは、似たりよったりの内容だった。どうやら、リョウメンスクナに個人単位の呪いを祈ったそうだ。天獄は、監視の元、リョウメンスクナの一部を二人に渡し、それを元に男達は対象を文字通り呪った。
効果は絶大だった。呪われた対象は見るも無残な姿となった。
どれもこれも、リョウメンスクナと教祖である物部天獄への盲目的なまでの信仰心を抱いており、それは純粋とは程遠い、欲に塗れた悍ましいものであった。
太宰は、心の中で、うへぇと舌を出したのだった。ああ、本当に人は。
───醜いものだ。
「皆様もわかりますよ。だってもうすぐなのですから」
さっき藤白も言った言葉を、男もまた歪んだ笑顔で告げた。
そこへ、そんな表面上の平穏が流れていると、けたたましい警報が鳴った。
「侵入者だ!政府の狗が教祖様の部屋を荒らしていた!」
大声でそんな内容が聞こえて、五人は暗躍班が見つかってしまったことを理解した。あんのバカァ!!!と思ったのは、一人や二人ではないはずだ、多分。
「侵入者は排除せねばなりませんね」
ちょっとした騒動になっている。信徒達の眼は殺気立っている。人を殺る目だった。
『あーテステス。聞こえる?』
ノイズの後、滑らかなテノールが通信機から聞こえてきた。
「ああ、聞こえるよ、乱歩さん。結構騒動になってるけど、国木田くんたちだろう?」
応えたのは太宰だった。喧騒から離れ、声を潜める。
『ああ、その通りだ。今日その部屋を調べ終わって、部屋を出た時に、まるで予め
そこから戦闘だよ、と先程の諏訪と同様に愉快げな声音で彼は告げた。
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黒井蜜柑(プロフ) - 藤猫さん» おっとwwww筋肉痛になるくらいは嬉しい発言ですね(?)!必ず更新いたしますので、もうしばらくお持ちください! (2022年8月27日 17時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
藤猫 - とても面白い物語ですね!!!!!!!!!ずっと笑ってて次の日腹筋の筋肉痛になりましたww本編もリクも楽しみにして待ってます!!!!!頑張ってください!!!!!!! (2022年8月26日 19時) (レス) @page37 id: 8264cf3ee7 (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» いえ、こちらこそリクありがとう御座います。まだまだリクを解決できていないところもありますし、順次していけたらと思っています。リク来たら滅茶苦茶嬉しいので全然大丈夫です。どうクリアするかは二の次です。( ′-′ )こちらこそ、本当にありがとう御座いました。 (2021年2月18日 22時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
アニヲタ(プロフ) - 書き忘れてたのですが((でっぷる編本当にありがとうございました!!お疲れ様です!!面白かったです!!!ありがとうございました!わざわざリク受け付けてくださって…。感謝しかないです!!書き忘れて本当に申し訳無いです…。これからも本編も楽しんで読みます! (2021年2月18日 22時) (レス) id: 71f36505fa (このIDを非表示/違反報告)
黒井蜜柑(プロフ) - アニヲタさん» コメントありがとう御座います。中編(笑)事態、書き上げてしまっているので、毎日更新していけたらと思っています。Twitter風会話文次第ですがw、 (2021年2月18日 21時) (レス) id: 17dfef3a09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒井蜜柑 | 作者ホームページ:http://minanami2.naho.ayaka.
作成日時:2021年2月18日 21時